3.80歳はまだ盛年
![]() 記者会見での今敏監督(右側)。イタリアが初めての今監督は、 ヴェネチア滞在をまるごと楽しんでいる模様で、水の都の不思議な街並と太陽の
光にいたく感心さ れていました。 |
![]() アラン・レネ監督の記者会見の模様。ラウラ・モランテ(左)とサビーヌ・アゼマ(右)の両女優に囲まれたアラン・レネ監督です。
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8月30日の水曜日に開幕した映画祭が最初の週末を迎え、人出も多く、夜遅くまで会場は大賑わいです。天候はオープニング前日の夜、雨が降った後は快晴。ただし、例年より気温は低めで、朝晩は肌寒いほどです。
さて、9月2日土曜日、日本映画のトップを切って、今敏監督の「パプリカ」が上映されました。他人の夢に侵入し、共感できる夢の発明が暴走し、自分の夢と他人の夢、現実と夢の境が侵されていくという筒井康隆の原作を基にしたアニメーションで、パプリカとは、他人の夢に進入して心理分析を施す、夢の心理療法師のコードネームです。
「パプリカ」と賞を争うコンペ作品で、これまで上映されたものは、初代スーパーマン、ジョージ・リーヴス(ベン・アフレック)の謎の自殺の真相を探ることになる私立探偵(エイドリアン・ブロディ)を描いたアレン・コルターの「ハリウッドランド」、第二次大戦中のオランダで、家族を殺され、心ならずもレジスタンスに身を投じた歌手の運命を描いたポール・ヴァーホーヴェンの「黒い手帳」、など8本。スパイク・リーの「堤防が壊れたとき」が出品されているオリゾンティ部門には、ドキュメンタリー作品と並んで、「冷血」の基となった事件を取材するトルーマン・カポーティという、フィリップ・シーモア・ホフマンにアカデミー主演男優賞をもたらした「カポーティ」とほぼ同じ内容を、まったく違う俳優(カポーティを演じるのは英国人俳優トビー・ジョーンズ)、まったく違うテイストで映画化したダグラス・マクグラスの「インフェイマス」などの話題の劇映画が上映されています。
コンペ部門で特に評価が高かったのは、今年82歳のアラン・レネの「心(公共の場所での個人的な恐れ)」でした。82歳といっても、今年98歳になるマノエル・デ・オリヴェイラが、ルイス・ブニュエルの「昼顔」の続きを映画化した「永遠に美しく」を出品していたり、地元イタリアの長老、81歳のヴィットリオ・デ・セータの「サハラからの手紙」が招待作品として上映されたりで、今年の映画祭を見る限り、80歳は映画作家にとってはまだ“盛年”といえるかもしれません。



