河北抄

 「ミューズの夢オーケストラ」の練習に先月、お邪魔した。さまざまなハンディのある若者たちがバイオリンやチェロを手に、古典の名曲に挑んでいる。仙台市のNPO法人「ミューズの夢」が結成を呼び掛け、旗揚げから1年を迎えた。
 「音楽の楽しさを知って」とプロ演奏家が指導する練習の輪に、並んでバイオリンを弾く親子がいた。目が不自由な20歳の男性と、55歳の父親。結成を紹介した本紙を読んで参加したという。
 「息子に十数年習わせたが、1人でなく、合奏する楽しさを味わわせたかった」と、仙台の市民オーケストラで弾いた経験者の父親。指揮者の工藤欣三郎さん(74)とかつて演奏会で共演した縁があり、自身もサポート役として加わった。
 いい音を出すのが難しい弦楽器で、いま10人のオーケストラは見事にモーツァルトを奏でた。すばらしい集中力だ。
 「皆、負けたくない気持ちと、互いの音を真剣に聴く姿勢が一つになって上達した。仲間として認め、信頼し合って初めて合奏も音楽も生まれる」。若者たちのこの1年の成長を感じ取っている。(2016・8・1)


2016年08月01日月曜日


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