河北抄

 ご存じでしたか、年の瀬間近の11月は「過労死等防止啓発月間」。仕事の慌ただしさが募る時、過労死の危険も増す。恐ろしいのは当の本人が気付かぬこと。
 「長時間労働の疲れとストレスは、正常な思考を奪い、悪い状態を自ら脱しようという判断も選択もできなくする」
 過労死遺族らが2013年に仙台市で結成した「東北希望の会」の代表、前川珠子さん(51)は話す。その前年、東北大准教授だった夫が自死した。東日本大震災で被災した研究室の復旧に没頭した末、研究室閉鎖の方針を知り、激しいうつ状態を発症して1週間で命を絶った。
 東北希望の会が毎月開く例会に最近、20〜30代の過労自死の遺族が相次ぎ訪れた。「職場全体の仕事や結果の要求がきつくなり、弱い立場の若い人が犠牲になる。電通の女性新入社員が過労自死した問題は、働く場の大小に関係なくある。身近にいる人が早く気付いてほしい」
 26日、シンポジウムを青葉区のエル・パーク仙台で開き、過労死から寸前で逃れた人たちの経験を基に話し合う。東北希望の会は022(212)3773。(2016・11・5)


2016年11月05日土曜日


先頭に戻る