河北抄

 いろいろなものを壊し、奪った東日本大震災。無力感や喪失感、悲壮感に襲われた後、人々はどう立ち上がったか。津波で仙台市宮城野区蒲生地区の自宅を失った当時小学5年の仲良し女子4人組の場合、支えはチアダンスだった。
 環境が一変した中、本人や家族たちの熱望で震災後ほどなく再開されたダンス教室。「来れば、つらさを忘れられる場所だったのでしょう」とダンス講師の上野協子さん(宮城野区)。逆境を笑顔で乗り越える姿に心打たれたという。
 笑顔の力を伝えたい。震災1年後に上野さんが実行委員長として同区の仙台サンプラザで始めた「スマイルフォージャパン・チャリティ・フェスティバル」は先日、開催5回の節目を迎えた。沿岸の被災地など宮城、山形両県から約30団体約500人が出演。チア、ヒップホップ、社交ダンス、フラなど老若男女が生き生きと楽しむ姿を披露した。
 舞台を励みにする被災者もいる。上野さんは「素人感満載のイベント。続く限り、続けたい」と言う。来年、再来年の開催も決め、強い意志で前に進む。(2017・3・18)


2017年03月18日土曜日


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