河北抄

 誕生日は誰にでもある。東日本大震災で亡くなった一人一人にも。かけがえのない人の追想は誕生日こそ、ふさわしい。そんな思いが込められた「誕生日タペストリー」が、宮城県亘理町の女性たちの手仕事グループ「WATALIS」(引地恵代表取締役)で作られている。
 町が「はらこめしの日」(10月8日)を制定して、日本記念日協会(加瀬清志代表理事)が認定したことが縁で、同協会が「被災者の希望となるアート作品にしてほしい」と、製作を依頼した。
 縦1.5メートル、横2.5メートルの布に、うるう日を含めた366日それぞれを表す小さな袋を縫い付ける。袋には震災犠牲者をはじめ愛する人への名刺大のバースデーカードを入れる。八方手を尽くして集めた古い着物地を生かした労作だ。
 進捗(しんちょく)状況の見学のため、28日に関係者を訪ねた加瀬さんは「完成したら宮城県の地場商品などとともに、日本、世界中を巡回させたい」と夢を語る。お披露目は「WATALISの日」となる5月15日、空き店舗を利用して町内にオープンする工房兼ギャラリーで行われる。(2017・3・30)


2017年03月30日木曜日


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