河北抄

 きょうは小説家太宰治をしのぶ「桜桃忌」だ。亡くなったのは昭和23(1948)年。死の1カ月ほど前に発表され、忌日名ともなった短編の一節だ。「蔓(つる)を糸でつないで、首にかけると、桜桃は、珊瑚(さんご)の首飾りのように見えるだろう」
 分かるのは、この赤い実が美しく高価なことか。山形県内でも戦時中にサクランボの木は切り倒され、豆や麦が植えられたというから、戦後間もないころは高根の花だったに違いない。
 今の時季、仙台圏の市民にとってその存在は金銭的にではなく、時間距離的にちょっぴり遠いかも。国道48号の「サクランボ狩り渋滞」である。7月初めまでの土・日曜は、行きも帰りも最大で各1時間前後、余計にかかる。
 渋滞は、仙山交流の太さを表すとしても快適に移動し楽しめてこその観光だ。
 渋滞緩和へ「早朝の出発を」「有料でも山形道の利用を」などと関係機関は呼び掛ける。午前の早い時間のサクランボ園入園料を割り引くなどして車の分散化に取り組むのは東根、天童両市。「となりまち」の知恵と努力には頭が下がる。


2017年06月19日月曜日


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