河北抄

 「一杯のコーヒーから夢の花咲くこともある」。歌手の氷川きよしさんがリバイバルさせた『一杯のコーヒーから』。いつ聞いても心をぬくぬくにしてくれる。
 仙台市青葉区一番町で喫茶店を営む佐藤信子さんは歌詞通り、顧客とのコーヒー談議から背中を押され、温めてきた小さな夢がかなった。花開いたのは、店の常連客による同人誌の発行。
 佐藤さんの父親は新聞記者だった。原稿を書く背中を見て育ったせいか、文学が好きでたまらない。「編集長」として投稿してくれそうな客たちに声を掛けて9月、創刊にこぎつけた。
 手作りしたB5判の雑誌で、表紙は店内の写真。店の雰囲気を思い『暖和室』と名付けた。詩、小説、エッセーなど、本人を含め男女計6人の小品が仮名で並ぶ。職業は国家公務員、会社員、高校生、小説家の卵らさまざまだ。
 店で無料で配っている。「皆さんの才能の深さに驚き、うれしさでいっぱいになった」と佐藤さん。第2号の発行も決めた。今冬に出す予定だという。「灯(ともしび)がちらりほらりとつきました」。


2017年10月13日金曜日


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