河北春秋

 なじみのない地に転勤し、初めて取材に出掛ける日の朝を思い出すことがある。「うまくやっていけるだろうか?」。心もとないといったらなかった。「よし、行くぞ」。自らを励まして家を出た▼プロ野球春季キャンプが1日に始まった。東北楽天は例年通り、沖縄県久米島町でスタートを切った。その中に西武からフリーエージェントで加わった岸孝之投手がいる▼年明けから自主トレーニングで走り込んできたという日焼けした顔に、東北楽天のユニホームがよく似合う。仙台市出身、プロ11年目の32歳。経験豊富な実力派らしく、ブルペンでマイペースの調整をしている▼地元の球団とはいえ、新しい環境での再出発に不安もあるだろう。東北学院大時代の監督、菅井徳雄さんは移籍が決まった際、「(これからは)注目度、期待度が違う。勝てなければ批判されるのは覚悟の上で戻ってきたはずだ」と思いやった▼慣れないことによる心配はうそのように晴れる。ましてや通算103勝を積み上げた、球界を代表する投手である。重圧を糧にしながら開幕までにきちんと仕上げてくるだろう。ドラフト1位の藤平尚真投手(神奈川・横浜高)ら若手も、その背中を見て学ぶ。岸投手が本拠地・Koboパーク宮城のマウンドに立つ日を早く見たい。(2017.2.6) 


2017年02月06日月曜日


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