河北春秋

 この冬、山形蔵王はにぎやかだった。樹氷の魅力を発信する国際樹氷サミットや、ゲレンデに映像を映し、スキーのエアー演技をするイベントを初めて開催。樹氷を目当てにオーストラリア、台湾などの外国人旅行者も年々増えている▼繁忙期のスキー場や温泉宿を支えるのは、臨時採用される助っ人たち。その一人、京都市出身の松尾典子さん(45)は温泉宿に住み込み、接客係になった。休みは気仙沼市などに車を走らせるのが、お決まりの過ごし方だ▼東日本大震災の被災地の助っ人でもある。京都市の会社に勤めていた2011年8月から、岩手、宮城両県に毎月1回以上足を運び、行方不明者の捜索や、泥をかぶった写真の洗浄などのボランティアをしてきた。14年10月に退社後、東北や熊本地震の復興支援などを経て昨年12月、被災地が近く、趣味のスキーもできる山形蔵王に来た▼松尾さんにはずっと気掛かりなことがある。遠方から足を運ぶボランティアに比べ、被災地に近い東北の参加者が少ないという。復興の道のりは遠く、震災6年の今もこれからも続く▼被災地支援に関心はあるが、一歩を踏み出せない人は少なくないはず。行動派の松尾さんを見ると、スキーや車の運転と一緒で、ボランティアも「習うより慣れよ」なのかも。(2017.3.5)


2017年03月05日日曜日


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