河北春秋

 ♪女々しくて女々しくて−が大ヒットしたバンド「ゴールデンボンバー」が、特典もメンバーの写真もない真っ白なCDを出したことがある。握手券付きなどが当たり前の時流にあらがったのだが「いつもの4分の1しか売れなかった」(鬼龍院翔さん)そうだ▼特別とか限定ということに、私たちは弱い。だが、宮城県美術館(仙台市)のこの取り組みは大賛成。開催中の「ルノワール展」で、開館直後の午前9時35分から学芸員のギャラリートークを始めたのだ。3月の毎週火、木曜「だけ」である▼「朝一番にお越しいただいた皆さんへの感謝」と学芸員の浜崎礼二さん。展示室で「この絵のポイントは瞳の色です」などと話す。「どれどれ」と作品に近づいて見られるのは人の少ない時間帯だから。15分ほどだが、お得感がある▼脳研究者の池谷裕二さんによると、人間の脳は日常的に新しい刺激を受けることで、より活性化する。鑑賞者も学芸員も新しい取り組みに刺激を受け、美術シーンが盛り上がることになれば楽しい▼これまでの宮城県美術館をCDに例えると、音楽の質は高いがジャケットは白っぽかった。もう少し色付けしてもいい。「ジャケ買い」する人もいるから。朝イチ・トークは、21日が休館なのであと4回「だけ」です。(2017.3.15) 


2017年03月15日水曜日


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