賛同企業の取り組み2015

2016年2月28日 河北新報掲載 食べて、元気に、みやぎの復興。

食べて、元気に、みやぎの復興。

生産者の方の頑張りや支援企業の皆さんのおかげで、みやぎの食は、着実に復興へと向かっています。
「今できることプロジェクト」では、「みやぎの食のために、今できること」をテーマに、県内各地の「食の復興」への取り組みを紹介します。
「みやぎの食の復興」について一緒に考え、みやぎの食に関心を持ち、食べて、みんなで応援していきましょう。

村井県知事からのメッセージ

宮城県知事
村井 嘉浩

みやぎの食で復興を実感

震災から5年が過ぎようとしていますが、今年は、一人でも多くの県民の皆様が復興を実感できるよう、「食材王国みやぎ」の復活、そして更なる飛躍に向け、取り組みを加速してまいります。
豊かな自然に育まれ、生産者の方が手塩にかけた宮城県の美味しい食材を、自信と責任を持って皆様にお届けしてまいりますので、ぜひお召し上がりいただき、「食」でみやぎをもっと元気にしていきましょう。

山元の新しいブランド目指し
イタリアントマトづくり。

イタリアントマト生産販売
企業組合スルーエイジ農園(山元町)

スルーエイジ農園は、山元町で震災前からまちおこし活動をしていた千石信夫さん(代表理事)と、仙台市の横野壮俊さん(専務理事)などが震災後話し合い、山元町の新ブランド創出を計画。資本と労働力を持ち寄る11人の企業組合を2013年に設立し、山元町の復興と雇用創出を目指して、イタリアントマト生産と6次化に取り組んでいます。
「いろいろな料理にも使えるという女性たちの意見を取り入れました。イタリアントマトは暖かくて日照が多い、この土地に合っています」と千石さん。「生食用の生産だけでなくジュースの製造販売もしています。今年の夏は直売コーナーを設けたい。できればトマト狩りも」と話す横野さん。事業のいっそうの広がりを目指した試みが意欲的に進められています。

お問い合わせ

企業組合スルーエイジ農園

山元町鷲足字中17番地
TEL 022-344-6852 / FAX 022-719-6853
http://suru-age.com

◎「このゆびとまと」はTEL・FAX注文のほか山元町・仙台市の一部店舗でも販売

千石さん(左)と横野さん。トマト栽培も今年で3年

2015年は8種類のイタリアントマトを生産

右/完熟トマトジュース「このゆびとまと」
左/栽培しない冬も土の手入れは欠かせない。山元の土は砂が多く水はけがいいため、トマトに好適

地域を大切にした畜産経営で
黒毛和牛改良に貢献。

繁殖母牛の育成
農業生産法人N.O.Aファーム(登米市)

NOAファームは1980年から米・酒米・麦・大豆などを栽培。後に和牛繁殖経営も始めました。「稲わらなど自給飼料を使い、堆肥は田んぼに還元するという自己完結、資源循環型の農業を目指した」と代表の高橋良さん。震災では設備の被害を受けながら、登米和牛育種組合として県に寄付金を贈ったり、被災地でボランティア活動も実践。
高橋さんはこれまで優秀な子牛を産む母牛の繁殖農家として、県内の黒毛和牛改良に貢献してきました。平成29年、5年に一度の和牛品評会「全国和牛能力共進会」が宮城県で開催されます。高橋さんは県の出品対策に関わる要職を務めています。「最高の成績を収め、仙台牛の名を全国に発信したい」と自ら母牛の育成管理を行いながら、畜産関係者と対策を練るなど精力的に活動しています。

お問い合わせ

有限会社 N.O.A

登米市中田町宝江森字6丁目34-2
TEL 0220-34-3958
http://www.e-noa.com

◎耕種部門では、ササニシキ、ひとめぼれなど登米産の特別栽培米を生産者直送で販売している
◎第11回全国和牛能力共進会
http://www.zwtk.or.jp/zw11/zengai00.html

高橋さん。現在約120頭の繁殖母牛を育てる

右/中肩や腰の骨が張ってゴツゴツすると評価が低い。
肩に負担がかからない餌やりや、毛並みの手入れが欠かせない
左/排水路を挟んで広大なほ場が広がる。N.O.Aでは周辺20町歩を借りて営農する

母-娘-孫娘にわたる改良の成果を競い合う部門への出品候補。
右が母牛。左側の娘どちらかが娘を産めば3代として出品できる

薬莱山の清冽な水と人の手が
育てる、絶品のワサビ。

ワサビの栽培・販売
株式会社 薬莱山葵栽培園(加美町)

船形山系の養分に富んだ清冽な伏流水が、ここのワサビを育てています。震災の影響について代表取締役瀬尾誠さんは「当時、この辺りの地下水脈の流れが変わったのか、井戸が出なくなり掘り直した」と振り返ります。ワサビの栽培には豊富な流水が必須で、およそ毎分7トンを汲み上げ、約4万4千株を栽培。「育つのに1年半から2年かかるので年間では約2万株の出荷になる。全国シェアの0.2%」だと瀬尾さん。同じ栽培方式の他地域のものに比べて「しっかり身が引き締まり、水がいいので辛いだけじゃなく甘みがある」。仙台の有名な和食店などと直接取引し、朝採りのものを夕方納入します。ワサビの葉の浅漬けと木の屋石巻水産の小女子佃煮の和えものを詰めた東北復興弁当も評判よく第5弾として販売中です。

お問い合わせ

薬莱山葵栽培園

加美町味ケ袋新坂地内
TEL 0229-67-5108

◎薬莱わさび茶屋
同味ケ袋薬莱原1-335
TEL 0229-67-3822

◎全国の地方新聞社厳選お取り寄せサイト「47CLUB」

3月から5月にかけてもっとも成長するよと、瀬尾社長

右/従業員15人が手分けして栽培、収穫から葉と根の仕分けなど出荷作業まで行う
左/鮫皮おろしで茎の根元の方から擦ると、おいしさ格別

右/わさびドレッシングも製造販売
左/薬莱わさび茶屋では、わさび料理ほか商品も販売(冬季月・火曜定休)

三陸の海と魚を知り尽くし、
目利きで仕入れた魚を加工。

水産品加工製造
株式会社ミヤカン(気仙沼市)

東日本大震災で壊滅的な被害を受けた缶詰製造業ミヤカンは、2015年春に新工場を建設し再開しました。「気仙沼は漁業と魚の加工で発展して来た街。加工業が立ち直らないと街も復興しない。ここで水揚げされる魚を加工して、地元の人が働き地域とともに復興していくことが私たちの進む道」と寺田正志社長。
ミヤカンでは三陸沖などで捕れ、気仙沼に水揚げされる新鮮な魚を、仲買人資格を持つ担当者が直接買い付けます。海を知り、魚を知る的確な目利きで、いい魚を選べることが強みです。「地元の魚、地元の材料を使い、地元のストーリーがあるものを大切にしています」と社長。魚をおいしく商品化するために、工場設備の衛生・品質管理に徹底的にこだわり、ミヤカンの味、気仙沼の味をつくり出しています。

お問い合わせ

株式会社ミヤカン

気仙沼市本浜町2丁目102番地1
TEL 0226-22-1500
http://www.miyacan.co.jp

◎工場見学も受け付けています。

右/ほぼ震災前の水準まで回復した気仙沼魚市場
左/最新鋭の生産ライン設備を備えた工場

(左から)小野寺智工場長、寺田正志社長、三浦健一業務部長、杉山悦也品質管理部長

右/ツナ、サバ、サンマなどミヤカンの人気商品
左/みやぎ生協との提携開発商品「びんちょうピリ辛ツナ缶」

みやぎの食のために、今できること。賛同企業の取り組み。

あしたへつなぐ、おいしい東北。古今東北

みやぎ生活協同組合

(株)東北協同事業開発は、みやぎ生協が取り組む「食のみやぎ復興ネットワーク」の活動を継承し、新ブランド「古今東北」を開発しました。地域で事業を行う生協として、震災復興を含めた地域発展を目指す役割を担う責任があると考え、その役割を果たすために立ち上げたものです。「古今東北」がお届けするのは、東北6県の各地から集めた選りすぐりの食材や加工品たち。みやぎ生協でお求めいただけます。「古今東北」は、東日本大震災からの復興を支援しています。

東北の生産者と飲食店が手を取り合う機会を創出

サントリー酒類株式会社

東北の生産者と仙台を中心とした飲食店とのマッチングを生み出す「サントリー 東北飲食店様向け展示会」を、2月23日(火)に仙台市内のホテルで開催しました。昨年7月に続き2回目となる今回は、名取市の「北釜ファーム」など、復興に向けて精力的に取り組んでいる企業など9社が出展。昨年を大きく上回る約400名の飲食店関係者に、地元食材をアピールしました。また、食材とマッチするサントリーのお酒の提案も、たくさんの関心を集めました。

実際に味わってみておいしさを体感

復興支援をきっかけに生まれた絆 両エリアの発展へ

三菱地所株式会社

2015年12月、宮城県のJR女川駅前にテナント型商店街「シーパルピア女川」が開業。三菱地所では、これまでボランティアとして施設の運営管理を担う「女川みらい創造(株)」に対し、三菱地所グループの商業施設運営・管理ノウハウを提供、開業準備業務を支援してきました。その後、支援をきっかけに生まれた女川町との絆を両社の発展に繋げるべく、16年1月、「泉パークタウン タピオ」と姉妹施設協定を締結し、同施設にて女川物産展も開催しました。

泉パークタウン タピオで開催された女川物産展

企画・制作/今できることプロジェクト事務局(河北新報社営業部)

今回の「賛同企業の取り組み」の紙面をPDFで見る