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支える人々(18)シンガー・ソングライター・苫米地サトロさん

苫米地サトロさん

◎亘理の災害FMで情報発信/町民の温度差埋める

 ―亘理町役場前のプレハブ案内所に3月24日、「FMあおぞら」が開局した。

<町長に開局交渉>
 「山元町の臨時FM開局を手伝ったスタッフがいて、その縁で機材の提供を受けた。22日に町長に直談判し、放送にこぎ着けた。主婦ら3人を中心に運営しているが、ボランティアの学生、民話を朗読してくれる人など大勢が関わっている」
 ―放送内容は。
 「当初は毎正時に、現在は2時間ごとに午前8時〜午後7時まで、30分間ほど放送している。生活情報をきめ細かく知らせるほか、レコーダーを持って取材に出掛け、現場で拾った被災者の声を紹介するようにしている。町内で声を掛けてもらえるようになり、浸透しつつあると感じる」
 ―ラジオの役割をどう考えるか。

<被災体験肉声で>
 「同じ亘理町民であっても、沿岸と山間部とでは津波被害の程度、受け止め方が違うし、相手の立場を想像できるとは限らない。被災を体験した人の肉声を紹介し、両者の温度差を埋めたかった」
 「今はFMを通じ、防災無線、ラジオ、登録者に配信される町の携帯電話メールという三つの情報収集方法を強調している。防災無線だけを頼りにして、聞こえなかったケースもあったと聞く。3点セットで身を守ろうと呼び掛けている」
 ―マイクに向かう際に心掛けていることは。
 「ゆっくり話そうと心掛けているうちに、自分のペースを確立できるようになった。言葉を扱う作詞家としては、要点を外さない範囲で個性を出したい。ただ、災害ラジオの運営という点では、話術を磨くよりも、伝えなければならない情報を取捨選択する能力の方が大切だ」
 ―音楽活動は止まっている。

<曲作りに変化も>
 「ラジオで自分の歌を流したり、演奏したりするつもりはない。売名行為はしたくない。音楽を担当したドキュメンタリー映画の上映会に合わせたミニライブが秋田、三重で震災後にあったが、出演を諦めた。5月末まで活動再開は難しい」
 ―核廃絶、反原発を歌った曲もある。福島第1原発事故をどう見るか。
 「制御不可能なものを制御しようとして暴走した。訴えてきたことは間違っていなかった。でも今は責任追及する段階ではなく、止めることに全力を尽くしてほしい。反原発集会への参加依頼もあるが、町の状況が落ち着くまでは控えたい」
 ―震災を経験したことで創作に変化は。
 「自分の内面のさらに奥、人と人のつながりの尊さなどを発見した。計り知れない影響があると思う。時間はかかるかもしれないが、説得力のある曲作りができるのではないか」(聞き手は高田瑞輝)

<とまべち・さとろ>本名敦史(あつし)。福島市出身。福島大卒。1994年にデビューアルバムを制作。これまでCD3作を発表した。亘理町在住。


2011年04月30日土曜日

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