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コンピューターで生命理解/膨大なゲノム情報解析

木下賢吾教授

 東北大のサイエンスカフェが2月24日、「コンピューターで生命の理解を目指すバイオインフォマティクス〜ゲノム『情報』がいかに生物の『実体』を形作るか」をテーマに、仙台市青葉区のせんだいメディアテークで開かれた。東北大大学院情報科学研究科の木下賢吾教授が、人の遺伝情報全体であるヒトゲノムによって生命が形作られる仕組みを講義した上で、コンピューターを活用することにより遺伝情報を医学分野で有効利用できると指摘した。

◎講演/医学への利用期待/東北大大学院情報科学研究科 木下賢吾教授

 染色体の中にあるゲノムはアルファベットで表現される4種類の塩基が連なってできている。人の場合、塩基は約30億個あり、これらの一部が遺伝子となる。
 木下教授は、水を除けば、人体の主要構成成分がタンパク質であることを説明した上で、ゲノムがタンパク質になるまでを解説。ゲノムのメッセンジャーとなる分子や、タンパク質を作る超分子複合体「リボソーム」の存在を示しながら、情報(ゲノム)が実体(タンパク質)に変わる過程を詳細に述べた。
 さらに、ゲノムの相違についても説明。個人での違い「変異」のほか、グループでの違い「多型」があることを紹介した。「多型」の例として、体内のアルコール脱水素酵素や、アセトアルデヒド脱水素酵素のゲノムの文字列が集団によって違うケースがあることを指摘し、そうしたことがアルコールに対する反応に反映されているとした。
 木下教授はゲノム解析の活用例として、遺伝子診断などを挙げて、「特定の病気へのかかりやすさや、薬の効きやすさを事前に知ることができる」と語った。
 さらに、個人のゲノム配列やタンパク質の構造についての情報がコンピューターなどの利用で急激に増えている状態を「生命情報ビッグバン」と表現。大量の情報を処理するためにも「データ主導のバイオインフォマティクス(生物情報科学)が必要だ」と強調した。
 質疑応答では、情報が膨大になっている現状を指摘し、「データの渦の中で、活用はうまくいくのか」という質問が出された。木下教授は、ゲノムの小さな違いの組み合わせで、生物にさまざまな違いが生まれることを指摘し、バイオインフォマティクスが発展途上にあることを説明した。

<きのした・けんご>京大大学院理学研究科博士課程修了。東大医科学研究所などを経て2009年から現職。専門はバイオインフォマティクス(生物情報科学)。大阪府出身。41歳。


2012年03月07日水曜日

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