<原発賠償集団訴訟>国と東電の過失認める

東京電力福島第1原発=2016年11月

 東京電力福島第1原発事故で福島県から群馬県に避難した137人が東電と国に計約15億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、前橋地裁は17日、原発事故を防ぐことは可能だったとして、東電と国の責任を認め、62人に対する慰謝料など計3855万円の支払いを命じた。避難者らによる集団訴訟で初の司法判断で、全国約30件の同種訴訟に影響を与える可能性がある。
 全ての電源喪失を招いて原発事故につながった津波を、東電と国が予見できたかどうかが最大の争点。判決は「(東電は)実際に予見していた」と指摘した。
 重大事故対策を巡っては、非常用電源の建屋上階への移設などを行っていれば「事故は発生しなかった」と判断。国に対しては「規制権限を行使していれば事故を防げた」とした。
 賠償に関しては、死亡などによる7人を除き、避難区域から避難した原告72人のうち19人について75万〜350万円を、区域外からの自主避難者58人のうち43人については7万〜73万円の請求を認めた。
 原告は2013年9月から順次提訴。裁判では「東電と国は津波を予見でき、東電には重大事故対策を取る義務が、国には東電に対する規制権限行使の義務があった」と主張。津波地震に関する02年の政府の長期評価を基に、東電が08年、津波は最大で高さ15・7メートルになるとの試算結果を得ていたことを根拠とした。
 東電と国は「東日本大震災と同規模の津波は予見できなかった」などと全面的に否定していた。
 自主避難者1人当たり4万〜72万円にとどまる賠償を巡り、原告側は低線量被ばくの安全性は解明されておらず「東電の賠償は不十分だ」と主張。東電と国は「合理的だ」などと反論していた。


2017年03月17日金曜日


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