<原発避難訴訟>「経済的合理性優先」糾弾

 前橋地裁判決は福島第1原発事故の原因について、タービン建屋に給気口から津波が入り、非常用配電盤の浸水により核燃料の冷却機能が失われたためだったと指摘した。給気口のかさ上げなど容易な対策を惜しまなければ事故は防げたと断定し、対策を怠った東電を「経済的合理性を安全に優先させた」と糾弾した。
 判決は第1原発の主要な建屋に津波による大きな損傷は見当たらず、水の浸入を防ぐ建屋内の扉が津波で損傷した証拠はないと指摘した。建屋の給気口から津波が浸入しなかった5、6号機では配電盤は浸水を免れており、給気口からの浸水が冷却機能喪失の原因だったと判断した。
 その上で(1)給気口をかさ上げする(2)非常用配電盤や非常用ディーゼル発電機を建屋の上階に移す(3)配電盤や発電機を建屋西側の高台に設置する−のいずれかの対策が取られていれば、核燃料の冷却を継続でき、事故は起きなかったとした。
 こうした対策は「期間や費用の点からも容易だった」と分析。高台に非常用配電盤や電源車を設置するのに必要な期間は約1年、その他の対策は長くて2年半程度だとし、東電が巨大津波を具体的に予見できたとされる2008年5月時点であっても、早急に対策に着手すれば、事故は回避できたと強調した。


2017年03月18日土曜日


先頭に戻る