気になる症状 すっきり診断(1)目のかすみと緑内障

イラスト・叶  悦子

 気になる症状が長く続くと、何か病気が隠れているのではないかと不安になります。東北大病院の各診療科の専門ドクターが注意すべき症状の特徴や、受診が必要となるケースについて分かりやすく説明します。

◎進行に個人差点眼重要/東北大病院眼科科長 中沢徹教授

 緑内障は40歳以上の20人に1人、70歳以上では9人に1人と、実は非常に頻度の高いありふれた病気です。視神経が障害を受け、いったん見えなくなったら元に戻らない、加齢でも視神経は減少するため、加齢に伴って患者数が増加するという特徴があります。

<失明原因の1位>
 緑内障は現在、失明原因の第1位であり、人口の高齢化によりさらに失明患者が増加しています。早期発見・早期治療が最も有効ですが、視野欠損を特徴とし、かすむ程度の自覚症状のため、視野異常に気が付いて来院される方はごくわずかです。緑内障患者さんのアンケートで、「緑内障の症状を自覚した時に、その症状が何によるものと思ったのか?」という質問に対し、90%以上が「老眼やただの目の疲れと思った」という結果でした。そのため、早期発見には眼科検診を受けることが不可欠です。
 緑内障になりやすい方は、スマートフォンなど目を酷使している、メタボリック症候群と診断されている、血のつながる家族や親戚に緑内障の人がいる、近視がある−などの特徴があります。片目ずつで見たとき、かすむ部分がある方は、できるだけ早く眼科を受診することを強くお勧めします。

<特異体質も関与>
 緑内障治療の目標は、生涯にわたり生活に支障のない見え方を維持することです。緑内障進行スピードには個人差があるため、病院では視野検査を定期的に繰り返し行い、1年当たりの進行スピードを調べます。眼圧を下げる点眼薬により、加齢現象の進行を防ぐことができます。毎日規則正しく点眼治療を行うことが最も大切です。
 東北大病院では、目だけの病気と思われていた緑内障が、実は全身状態も緑内障に悪影響を与えることを発見しました。低血圧や高血圧の過剰治療による目の血流低下、身体の組織がさびるような働きをする酸化ストレスが血液中で高い患者さんでは、現状で推奨されている眼圧を下降する治療では効果がないことがあります。
 通常より若年の40歳台から緑内障を発症された方、通常の治療でも進行が見られる方は、目の血流や酸化ストレスといった特異体質が関与していることが多いことが分かっています。経過が長い病気です。宮城県では総合病院と診療所が協力し合う「病診連携」を強化して、緑内障による失明ゼロを皆で目指しています。


2017年03月01日水曜日


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