<ゆるキャラと歩く>日本一くん/舟運の歴史色濃く反映/左沢の文化的景観(山形県大江町)

日本一くん
町場に残る商家「清野家」。母屋は明治期、土蔵は江戸期に建造された

<日本一くん>
 大江町の史跡など国の重要文化的景観選定を記念し、町商工会がことし、公募で決定したPRキャラクター。名前は景観を構成する楯山公園の通称「日本一公園」にちなみ、町特産品や景観をモチーフにした。目はサクランボ、耳はスモモ、はかまはラ・フランスのイメージ。髪形は最上橋、口は最上川のうねり。紋所には町章をあしらった。

 民謡「最上川舟唄」発祥の地、山形県大江町。古くから舟運や交通の要衝として栄え、現在もにぎわいの面影を色濃く残す。中心部の左沢をはじめとする一帯は昨年、国の重要文化的景観に選定された。
 JR左沢駅を基点に、まずは町全体を望む高台の「楯山公園」へ。交通の要衝だった現在の大江町に14世紀後半、左沢元時が築いたとされる楯山城の城跡。2009年に国史跡に指定され、文化的景観の構成要素の一つになっている。
 城跡からは、大きく蛇行する最上川と、その岸に形成された市街地が一望できる。景観の素晴らしさから、「日本一公園」と呼ばれるほどだ。
 「天然の地形を巧みに生かした城だったんです」。町の歴史に詳しい大江町教委教育文化課の水戸部泰子さん(33)が解説する。周辺は陸上交通の拠点となり、城は水陸両方の交通を押さえた。建物跡などが一部見つかっており、現在も発掘調査が続く。
 続いて、舟運を担う商人らでにぎわった左沢の町場へ。現在も20軒以上の商家や土蔵が並び、文化的景観を構成する。「それぞれ間口が狭く奥行きが深い町屋の造り。あらゆる角度から見ると興味深いですよ」。水戸部さんが教えてくれた。
 舟運は江戸から明治期に隆盛を極めた。左沢からは特産のコメや織物の原料となる青苧(あおそ)などが積み込まれ、京都まで運ばれた。かつての問屋の建物を利用した歴史民俗資料館では、舟運文化を詳しく学べる。
 川沿いを歩き、往時の舟屋敷跡を巡ることもできる。「多様な時代の史跡を歩いて楽しめるのも大江町の魅力です」。水戸部さんが強調した。

<ガイド>
 中心部左沢までは、山形自動車道寒河江インターチェンジから車で15分。JR左沢線で山形駅から45分。左沢駅から町場までは徒歩5分、楯山公園までは約30分。駅に直結する交流ステーションで、ガイドマップなどを常備している。町の観光ガイド「舟唄の里案内人」の案内で巡ることもできる(有料・要予約)。連絡先は町観光物産協会0237(62)2139。


2014年11月02日日曜日


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