<ジョンソン・エンド・ジョンソン>災害看護学ぶ場提供

 CSR(企業の社会的責任)活動の積極展開は、欧米を中心に世界企業の常識になっている。その流れで、東日本大震災では海外の企業から多くの支援が寄せられ、震災7年目の今も続く。CSRの最前線に立つ外資系企業の取り組みと狙いを追った。(「被災地と企業」取材班)

◎トモノミクス 外資系CSR最前線[2]

 世界60の国・地域に展開する米医療用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソンの日本法人(東京)は、被災地の看護学生を米国に派遣し、災害医療に関する研修を実施している。
 日米の官民組織「トモダチイニシアチブ」と共同で2015年にスタート。学生10人前後が毎年2週間、ニュージャージー州の本社やワシントンの看護大などで、災害時の搬送訓練や感染症対策などを学ぶ。
 日本法人の社会貢献委員会マネジャー伊藤佐和さん(42)は「震災から6年。企業による支援が減っている。そういう時期だからこそ、被災者に寄り添う地元の看護師を育てたい」と狙いを語る。
 参加した学生は「看護学生のネットワークが全米にあった」「災害時に役立つ看護師になりたい」と刺激を受けた様子だった。
 同社は1943年、行動規範として4項目から成る「我が信条」を起草した。患者、社員、株主への責任に加え「地域・世界への責任」を明確にしている。
 日本法人の社会貢献委員会は伊藤さんら3人で構成。社員約5000人の旗振り役となり、このうちリーダー16人、サポーター100人が勤務後や休日、ボランティア活動に携わる。
 伊藤さんは「CSRという言葉が生まれる前から『我が信条』がDNAとなって会社に根付いている」と力を込める。
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 企業の社会的責任(CSR)。21世紀、世界の企業に浸透し始めた概念だ。東日本大震災後、東北の被災地には無数の企業が足を踏み入れ、試行錯誤を重ねた。艱難(かんなん)の地へ、生活の糧を、癒やしを、希望を。企業を突き動かした衝動は何だったのだろう。あれから間もなく6年。CSRを足掛かりに、あの日に返って経済社会を展望する。見えてくる明日を、私たちは「トモノミクス」と呼ぶ。


2017年03月19日日曜日


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