<大川小訴訟>遺族「次世代に生かされる判決を」

結審後の記者会見で思いを語る今野浩行さん(左から2人目)ら遺族=仙台市青葉区の仙台弁護士会館

 大川小津波訴訟の控訴審が23日、結審した。法廷で意見陳述した遺族2人は「次世代に生かされる判決を」と訴え、亡き子への思いを紡いだ。命は、なぜ失われたのか。それを知るため遺族らは和解を拒み、裁判所の判断に望みを託した。
 「大人になったら一緒に酒を飲み、腹を割って男の話をするのが夢でした」
 6年の長男大輔君=当時(12)=を亡くした原告団長の今野浩行さん(55)は声を震わせ、陳述を締めくくった。生きていれば、11月に20歳を迎えるはずだった。
 「あの日、学校の先生は動かなかったのではなく、動けなかった。危機管理マニュアルが整備されていれば現場は混乱しなかった」と悔やむ。「大川小で何があったのか検証し、悲劇を繰り返さないことが私たちの責務。子どもたちが、たとえ短い間でも生きていた証しになると信じている」と力を込めた。
 鈴木実穂さん(49)は6年の長男堅登君=同(12)=を失い、4年の長女巴那(はな)さん=不明当時(9)=の行方が今も分からない。「平時から学校防災に忠実に取り組んでさえいれば、子どもたちの命が奪われることはなかった」と涙を浮かべた。
 震災後に仕事を辞め、巴那さんを捜し続けた。「帰ってこられない娘に対して市と県には責任を取ってもらわなくてはならない。避難行動の何がいけなかったのか、目をそらさず真正面から向き合ってほしい」と声を振り絞った。
 閉廷後、遺族らはそろって記者会見に臨んだ。3年の健太君=当時(9)=を亡くした佐藤美広(みつひろ)さん(56)は「息子への供養だと思い頑張ってきた。今後の学校防災の礎になるような判決を望みたい」と語った。


2018年01月24日水曜日


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