<楽天>田中初本塁打 チーム救う決勝弾

12回東北楽天2死一塁、田中がプロ初本塁打となる左越え2ランを放つ

 鮮烈な一打だった。0−0の延長十二回、東北楽天の新人田中がファンで真っ赤に染まる左翼席に決勝2ランを放った。「自分でもびっくり。打球(の行方)はよく分からなかったが、スタンドの声援でいくのかなと感じた」。プロ初先発の試合で初本塁打を放ち、興奮冷めやらなかった。
 2死一塁。あと1死でチームの勝利がなくなる土壇場で、土肥の高めの速球を振り抜いた。ベンチで先輩から手荒い祝福を受けると一気に笑みがはじけた。
 1軍デビュー2戦目の前夜に初盗塁を決め、「そこを評価した」(梨田監督)と先発に抜てき。だが「周りの声が聞こえないぐらい」に緊張し、七回まで3打席連続三振。五回は無死一、二塁から犠打を決められず、好機もつぶした。
 それでも、持ち味の積極性を失わなかった。頭にあったのは東京六大学時代からの先輩茂木の言葉だ。「振るのをやめたら終わりだよ」。十回の第4打席、初安打となる左中間二塁打を打つと、「一本出てリラックスできた」と十二回にこの日初めての右打席で値千金のアーチ。「何も減るものはない。とにかく思い切り振ろうと思った」と開き直った結果だった。
 立大からドラフト3位で入団した左右どちらでも長打を打てるスイッチヒッター。「トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)をやるんじゃないかというくらい、魅力を持った選手」と梨田監督も期待する。3打席連続三振にも「代えようとは全く思わなかった。最後は凡打でも仕方ない」と腹をくくった監督の忍耐力も、ラッキーボーイの誕生に欠かせなかった。(浦響子)


2017年05月21日日曜日


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