秋田県大雄村の選挙速報

 今回の統一地方選でもテレビ局や新聞社が開票速報を試みました。地方新聞社も、力を入れて取り組むケースが増え、WEBもなかなかにぎやかでした。選挙報道のあり方が大きく変わる過程にあるのだと思いますが、一方で、自治体が住民サービスの一環として、独自に開票速報する例が増えています。

 秋田県大雄村の開票速報を紹介します。今回の県議選で大雄村はインターネット上で、各候補の得票状況を1分ごとに速報しました。速報の仕組みの詳細は大雄村のWEBをご覧いただけばいいのですが、要は、開票作業の中で各候補の得票を50票ずつ束にします。その一束一束にバーコードが印刷されていて、スキャナで読み取るだけで、WEB上に反映する仕組みです。WEBの更新時間は「1分ごと」。ほとんどリアルタイムですね。秋田県選管への定時速報と確定後報告も、コンピューターから直接、県のFAXへデータを送信しました。

 有権者の多い自治体の場合は、枚数読み取りのための票数計算機を使うことが普通ですが、有権者5000人弱の、この村では、開票事務にあたる職員が50枚ずつ束にして数えます。選管事務にバーコードスキャナを導入したのも、得票をなるべく簡単に集計・記録するためで、WEBへの展開は、その応用だったようです。

 票数計算機を導入しないことについて、大雄村のWEBでは「票数が4,000票未満と少なく、50票単位の小束にするので、機械化してもあまり効果が期待できない」と説明しています。

 開票事務そのもので言えば、人手をかける「従来型」と言えるかもしれませんが、そのことが、実はWEBのリアルタイム速報という、最先端の仕事につながっている点が重要です。票数計算機を使っている自治体でも、仕組みさえ作れば速報はもちろん可能ですが、とかく大型の仕組みになることが多く、それだけお金もかかります。

 大雄村の開票速報の仕組みは、職員がほとんど一人で開発し、運用しています。バーコード導入について、何人かの職員がいろいろ研究してきたことも力になりました。開票速報のサーバーとして使用しているパソコンは3、4年前の旧タイプ。「ウィンドウズ95は動きます。メモリを増設して何とか使っている」そうです。

 大雄村はもともと選挙に対する関心が高く、有権者が開票場に押しかけるので、開票場内外への速報を、単なる掲示方式から工夫しているうちに、現在のWEB速報になりました。今回は県議選でしたが、来春には村議選があり、いよいよ村単独の選挙でリアルタイム速報を試みるチャンスがやってきます。

 大雄村のように自治体が独自にリアルタイムで開票速報するようになったら、選挙の際の、新聞社のWEB報道の役割をどこに置いたらいいのでしょうか。悩ましい問題です。(19990413)


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