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<原発比率>「延命策」「一定程度必要」東北賛否

 2030年の原発比率を「20〜22%」とする政府案が示された28日、東北では、脱原発を訴える市民団体や再生可能エネルギーの普及を目指す県などから「延命策だ」「比率はまだ下げられる」と厳しい声が上がった。原発立地自治体は一定水準の維持を歓迎した。
 「政府は原発を生き延びさせようと画策している」と批判したのは、脱原発東北電力株主の会の篠原弘典代表。「原発ゼロでも社会は成り立つ。増えるコストを再生エネに振り向けるべきだ」と主張した。
 「卒原発」を掲げる山形県エネルギー政策推進課の渡辺丈洋課長は「原発比率の下げ方がいまひとつ。県の再生エネ拡大の取り組みが国にも波及してほしい」と指摘。福島第1原発事故の影響が続く福島県のエネルギー課の担当者は「原子力に依存せず、40年までに100%再生エネを目指す方針に変わりはない」と県の姿勢を強調した。
 宮城県企画総務課は原発比率の評価は避けつつ、「ベストミックスに基づく国の施策を早期に示してほしい」と求めた。
 東北電力東通原発がある東通村の越善靖夫村長は「エネルギー安全保障の観点からも原発の必要性は変わらない」と評価した。電源開発大間原発の建設が進む大間町の金沢満春町長は「地球温暖化対策を考えると原発比率は高めるべきでないか」と注文を付けた。
 東北電力広報・地域交流部は「原子力は一定程度必要。再生エネも含めてバランスの取れた電源構成が示された。今後は実現に向けた具体的施策を示してもらいたい」とコメントした。
 再生エネ政策に詳しい田路和幸東北大大学院教授は「東日本大震災と原発事故を経た電源構成は本来、目指す社会の在り方から議論すべきだ。新技術や省エネの進展を十分に考慮すれば、原発など既存のベースロード電源の比率はもっと下げられる」と指摘した。


2015年04月29日水曜日

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