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<みやぎロケ地巡り>復活の夢、継ぐ人を待つ/(3)スープ・オペラ

映画「スープ・オペラ」で重要な役割を果たしたメリーゴーラウンド(許可を得て撮影)

◎化女沼レジャーランド(大崎市)

 大崎市民が憩う化女沼の東岸に、さびた観覧車が空に胸を張るような姿で立っている。ここで、阿川佐和子さんの同名の小説を元にした映画「スープ・オペラ」が撮影された。2009年8月のことだった。
 映画の中で、夏草が絡み付くメリーゴーラウンドが存在感を放っていた。これがなかったら、作品は成り立たなかったろう。
 「化女沼レジャーランド」は1979年に開園し、最盛期は年間20万人が来場した。約15万平方メートルの敷地内に遊園地やゴルフ練習場、室内ゲートボール場、ホテルが立ち並んでいた。2001年10月に休園した。
 その8年後、「休止中のメリーゴーラウンドを探している」と映画製作会社から打診があった。「どうぞお使いください」と同レジャーランド社長の後藤孝幸さん(85)は気軽に応じた。
 メリーゴーラウンドを取り巻く空間は、人と人とが絆を確かめ合う場として描かれた。今は元の姿で静かに時を刻んでいる。廃虚愛好家が「ぜひ見せて」と訪れることもある。後藤さんは、そうした申し出にも可能な限り応じている。
 レジャーランドの土地や施設は、切り売りされることなく残っている。後藤さんは、「化女沼を一大観光地に」という夢を継ぐ人が現れるのを待っている。

[メモ]映画「スープ・オペラ」は2010年10月公開。瀧本智行監督。坂井真紀さんの主演で、独身の女性図書館司書と初老の絵描き、雑誌編集者志望の若者の奇妙な共同生活を描いた。主人公が作るスープを囲んで、人と人との温かな関係が広がる様子が好評を博した。


関連ページ: 宮城 文化・暮らし

2015年05月04日月曜日

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