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飲料水持参目立つ 楢葉・町民帰還へ準備宿泊

軒下に買いだめされた飲料水

 東京電力福島第1原発事故で全町避難した福島県楢葉町の帰還に向けた準備宿泊で、市販の飲料水を持ち込む世帯が目立つ。湖底に放射性物質が堆積する木戸ダムが源の水道水に不安を感じるからだ。浄水場で原水や浄水から放射性物質が検出された実績はなく、国などは安全性をアピールするが、帰還の障害として「水」を挙げる町民も多い。
 町南部で準備宿泊している女性(71)方は、軒下に段ボール箱が積まれている。中はペットボトル入りの水だ。「安全と言われても安心はできない。お茶や料理など口に入るときはペットボトルの水」。3日で2箱(1箱2リットル6本)を使うため、いわき市で5〜10箱をまとめ買いする。
 北部の男性(69)も「飲み水は買う」。水道水を飲んでいる男性(71)は「昔のように気持ちよく飲んではいない」と言う。
 木戸ダムには1キログラム当たり51〜1万2200ベクレルの土砂が堆積する。国は(1)取水口が湖底から約60メートル上にある(2)大雨でも土砂は巻き上がっていない−と説明。厳しい濁度管理や浄水場での24時間放射性物質モニタリングなどの対策から「管理目標値を超える放射性物質を含む水道水は家庭に届かない」と強調する。
 町民には根本的対策としてダム湖底のしゅんせつを求める声も根強いが、国は「放射性物質が逆に拡散する恐れがある」として、将来的な課題と位置付ける。
 国が4月25日に始めた町民懇談会では「木戸ダム湖底に爆弾を抱えている」「避難指示が解除されたら私は町に戻るが、水の問題があるので息子や孫は帰さない」などの声が出ている。
 楢葉町などは近く、希望に応じて各家庭の水の放射性物質検査を始める。町は「現状では水道水の安全は確保されている。不安を取り除く施策や理解活動を進めるとともに、国には技術的な検討を進め、最終的に湖底をしゅんせつするよう求めていく」と話す。


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2015年05月05日火曜日

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