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農地引き渡し延期 亘理の農家、県対応に怒り

工期が遅れ、ことしの営農ができなくなった農地。看板には既に変更された工期が記されている=亘理町

 東日本大震災の被災農地の復旧事業として宮城県が発注した亘理町の大規模圃場整備で、15日に予定していた農地の引き渡しが工期遅れで1年近く先送りになることが分かった。県が7、8の両日、町内で開いた説明会で明らかにした。対象農地は事業区域と周辺農地の計約180ヘクタール。苗作りなど作付け準備を進めていた農家からは、不満の声が上がっている。

 引き渡しが延期されるのは、吉田中部地区の全域124ヘクタールと吉田西部地区の一部25ヘクタール。吉田中部地区と用水路を共有する水稲作付け自粛区域約30ヘクタールも含まれる。両地区は被災農地の圃場整備事業として2013年9月に着工し、ことし3月末に完成予定だった。
 県によると、復興事業の本格化に伴う人手や資材不足などで遅れが生じ、工期を5月15日まで延期。さらに酸性化した土壌の改良も必要と分かり、引き渡し延期を決めた。所有者ベースで200人を超す対象農家には、4月28日と5月1日に通知を出したという。
 引き渡し間際での変更に農家は納得がいかない。吉田中部地区の菊地優全体委員長は「多くの農家が準備を始めていた。発芽した種もみは使えない。被災農家も多く、もっと親身に対応してほしかった」と憤る。
 仙台地方振興事務所農業農村整備部の及川古志郎次長は「土壌の調査などにも時間を要した。今春の引き渡しを目指して努力したが、詰めが甘かった部分がある」と陳謝。県は作付け準備に要した経費などの補償を検討しているという。


2015年05月09日土曜日

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