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<みやぎロケ地巡り>被災前の景色を収める/(8)「エクレール・お菓子放浪記」

北上川河川敷に広がるヨシ原。刈り取られずに残るヨシの根元に緑色の新芽が顔をのぞかせている

◎ヨシ原(石巻市の北上川河口)
 2011年5月公開の映画「エクレール・お菓子放浪記」の冒頭シーンは、石巻市の北上川河川敷に広がるヨシ原だった。現地は2カ月前の東日本大震災で甚大な被害を受けたため、被災前の景色を収めた貴重な映像となった。
 ロケがあったのは震災前年の10年10月。吉井一肇君演じる主人公の少年アキオが、感化院から渡し船で養母に引き取られる場面などを撮影した。船の周囲では高さ約4メートルに成長した黄金色のヨシが風にそよいだ。
 北上川のヨシ原は河口から上流約10キロにかけて群生し、全国有数の規模を誇った。かやぶき屋根などの良質な材料で、冬の刈り取りや春の火入れは風物詩だった。
 震災による地盤沈下で、ヨシ原の6割が水没した。地形変化の影響で川の塩分濃度が上昇。津波に備えた河川堤防の整備が進む一方で、ヨシの生育環境は依然回復していない。
 地元のNPO法人「りあすの森」は、川底の土砂による河川敷のかさ上げを求める署名を国土交通省に提出するなど、ヨシ原再生に向けた活動に取り組む。
 武山文衛顧問(66)は「ヨシ原は地域だけでなく国の財産。以前の状態に戻し、水辺のにぎわいをよみがえらせたい」と語った。

[メ モ]「エクレール・お菓子放浪記」は戦中戦後が舞台。孤児の貧しい少年が、お菓子に象徴される人の優しさを糧にさまざまな人との出会いと別れを繰り返して必死に生き抜き、成長する物語。県内各地がロケ地になった。近藤明男監督。


関連ページ: 宮城 文化・暮らし

2015年05月10日日曜日

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