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「遠野和紙」継承へ 協力隊2人移住初仕事

コウゾ畑で作業をする松島さん(左)と盛合さん

 福島県いわき市遠野地区に400年以上前から伝わり、存亡の機にある「遠野和紙」を守るため、市が募集した「地域おこし協力隊」として、山形市出身の松島淳雄さん(52)と岩手県宮古市出身の盛合文子さん(28)が今月、遠野地区に移住した。技術を継承し、地域活性化にも一役買う。

◎「骨うずめる覚悟」

 2人は4日、初仕事として、伝統工芸の伝承に取り組む「磐城手業の会」の会員や地元の人と共に、原料のコウゾ畑で草刈りや間引きをした。「慣れない作業で大変だが、気持ちがいい」と笑顔を見せた。
 いわき市ではかつて各地で和紙が作られたが、1973年以降は遠野地区の瀬谷安雄さんだけが生産を続けていた。瀬谷さんが昨年、89歳で亡くなったため、市が総務省の「協力隊員」制度で後継者を募った。
 照明コンサルタントの松島さんは「和紙を通した光の美しさ」に引かれ、横浜市から引っ越した。「和紙作りの経験はないが、新たな用途も考え、魅力を発信したい」と意気込む。
 埼玉県から移り住んだ盛合さんは京都伝統工芸大学校で学び、和歌山県や埼玉県で和紙作りの経験を積んだ。「きれいな遠野和紙を途絶えさせず、自分の技術も向上させたい」と話す。
 手業の会によると、遠野和紙を作れるのは現在、瀬谷さんに学んだ茨城県の70歳男性だけ。松島さんと盛合さんはコウゾを栽培して原料を作り、男性から指導を受ける。協力隊員としての雇用期間は最長2018年3月までだが、2人とも「骨をうずめる覚悟」(松島さん)と、定住を考えている。


関連ページ: 福島 文化・暮らし

2015年06月05日金曜日

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