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車椅子が手こぎ三輪車に変身!普及へ快走

残雪の鳥海山をバックにサイクリングを楽しむ親子=7日午前、にかほ市の仁賀保サイクリングロード

 車椅子でも自転車のようにスピードに乗って走る楽しみが味わえる「ハンドバイク」の普及に、東北ハンドバイク協会が力を入れている。専用器具を取り付けると、車椅子が手こぎの三輪自転車に変身する。6、7日に秋田県にかほ市でツーリングや体験搭乗の催しがあり、青森、宮城、福島の車椅子利用者と家族ら約25人が日本海や鳥海山を眺めながら爽快な走りを満喫した。
 協会の巴雅人代表(60)=仙台市若林区=によると、ハンドバイクは1980年代に欧米で広まり、パラリンピック種目にも採用されて注目度が高まっている。専用車もあるが、普段使っている車椅子に後付けするのが一般的。ハンドルを兼ねたペダルを手で回して進み、操縦する。ブレーキや変速機も備えている。
 今回、巴代表の出身地のにかほ市の有志が4台を協会に寄付。贈呈式を兼ね、昨年の名取市に続き2回目のツーリングを企画した。
 初日は日本海沿いの道路などを14キロと22キロの2コースに分かれて走った。2日目は鳥海山麓の仁賀保サイクリングロードに移動し、風車が並ぶ高原で1周5キロのコースを駆け抜けた。
 仙台市愛子小2年の門脇圭祐君(7)は初体験ながら、初日は14キロを走行した。「上り坂は大変だったけれど、スピードを出した時の風が気持ち良かった」と満足そうな表情。母の洋子さん(42)は「障害のある子は世界が狭くなりがちだが、貴重な体験ができた。長い距離を自分でこぐことができて自信になったと思う」と喜んだ。
 協会事務局長の増子千景さん(40)=須賀川市=は「ハンドバイクは自転車感覚で乗れて劇的に行動範囲が広がる」と語る。時速10〜15キロと、スピードは車椅子と格段に異なる。移動手段だけでなく、「人生を充実させる道具としてアピールしたい」と意気込む。
 普及のネックになっているのが1台40万円弱の価格。巴代表は「年齢や障害を問わず楽しめて、これほどいい物はない。補助を受けられるよう行政に働き掛けたい」と話した。
 協会は寄贈された4台を活用し、今後も体験会を企画する。連絡先は協会の宮城県連絡所022(289)9603。


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2015年06月10日水曜日

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