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<内陸地震7年>栗駒山麓 遠い観光回復

夏山シーズンを迎えた栗駒山。登山客の回復が観光復興の鍵を握る=5月17日

◎大震災や原発事故の影響も色濃く

 岩手・宮城内陸地震の発生から14日で丸7年を迎える最大被災地の宮城県栗原市では、大規模地滑りが発生した栗駒山麓を訪れる観光客が伸び悩む。内陸地震前年の2007年、栗駒山麓の観光客は市全体の約6割を占める120万人だったが、14年は43万人にとどまった。復興途上の11年に起きた東日本大震災や福島第1原発事故の影響がいまだ色濃く、観光復興の道のりは容易ではなさそうだ。

 栗原市全体と、そのうち栗駒山麓、栗駒登山に訪れた観光客数の推移はグラフの通り。市によると栗駒、花山両地区にまたがる栗駒山麓の観光目的は温泉入浴や登山が中心だ。
 山麓の観光客は内陸地震があった08年が27万5000人、09年は18万8000人に落ち込んだ。10年は46万人に回復したが、震災が起きた11年は31万5000人に再びダウン。その後は年数万人ペースで増えるが、勢いがない。
 中でも、登山客の回復が思わしくない。07年の75万5000人が08年は8万1000人に激減。09年は登山道に通じる県道が閉鎖されたためゼロ。県道が開通した10年は14万人が訪れたが、11年は6万4000人に再び落ち込んだ。13年は8万人、14年は8万2000人と伸びは極めて鈍い。
 市田園観光課は観光客が伸び悩む原因について「原発事故に伴う放射能汚染の風評被害が大きい。内陸地震により山麓で営業する温浴施設が11から7に減った上、キャンプ場が休業していることも響いている」と分析する。栗駒山麓は山菜の宝庫。放射能の影響で出荷停止が続く現実もある。
 温泉施設関係者によると、以前は石巻市や南三陸町など沿岸部からの観光客が多かったが、震災後は激減。「生活再建に追われ、観光マインドが低下したままのようだ」とみる。
 市は内陸地震で傷んだ登山道を再整備し、昨年までに全6コースを開放。市観光物産協会は6月と9、10月の土日を中心に、JR東北新幹線くりこま高原駅から栗駒山麓へ向かう観光バスを運行するなど、誘客に力を入れる。
 栗駒山観光協会の炭屋一夫会長は「売り上げが大きくダウンした宿泊施設もある。海外を含め新たな誘客を図らないと、栗駒山麓観光は復活しない」と厳しい表情で語る。市と連携し、栗駒山麓の魅力を発信したい考えだ。


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2015年06月12日金曜日

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