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<大間原発>審査先行き不透明 細る工事量

大間原発の建設現場。主要施設の工事は進んでいない

 電源開発(Jパワー)が青森県大間町に建設を進める大間原発の新規制基準適合性審査を原子力規制委員会に申請して半年がたった。建設中の原発では初の申請とあって慎重に進められている審査は序盤のままで、先行きは見通せない。工事は新基準の影響を受けない範囲に限られる状態が続き、波及効果を期待する地元関係者には不安が広がる。

 大間原発の審査会合が開かれたのは5回。直近は4月10日で2カ月以上開かれていない。原発周辺の地形がテーマとなった4月の会合では、委員からデータ不足などを指摘する声が相次ぎ、Jパワー側が規制委の要求水準に対応し切れていない現状をうかがわせた。
 未完成の原発の審査は前例がないことに加え、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使える世界初のフルMOX炉。規制委側の姿勢は慎重だ。田中俊一委員長は5月下旬の記者会見で「(既設の原発とは)ちょっと別だ」と述べ、審査の難しさを示唆した。
 Jパワーは昨年12月の審査申請時「2021年度ごろの運転開始を目指す」と地元に説明している。ことし11月に審査に合格した上で、テロ対策など向けの特定重大事故等対処施設の建設に着手する日程を描く。
 今月5日、大間町議会の特別委員会に出席した南之園弘巳常務は「審査は序盤」と認めつつ、「思いは変わらない」と日程目標を維持する考えを示した。
 主要施設整備などの大規模工事に入れない中、Jパワーが腐心するのは工事量の確保だ。背景には工事による経済効果を当て込む地元の意向がある。
 5日の町議会特別委で、Jパワーは、設計変更があり得るとして、本年度計画していた一部の敷地造成規模を半分に縮小する方針を説明。同時に公表したのが、「時期未定」としてきた敷地入り口付近の造成工事を7月に着手する工程前倒しだった。幹部は「工事が極力途切れないように努力していきたい」と苦心のやりくりを強調した。
 構内で働く作業員数は約350人と、ピークだった11年2月の約5分の1にとどまる。大間町商工会の担当者は「工事が進められない状況は承知している。ただ早めに審査を進めてもらいたいのが本音だ」と地域経済への影響を懸念する。

[大間原発]改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)で出力138万3000キロワット。08年5月着工。東日本大震災による中断を経て、12年10月に工事を再開した。津軽海峡を挟んで隣接する北海道函館市がJパワーと国を相手に建設差し止めなどを求める訴訟を起こしている。


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2015年06月17日水曜日

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