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<お盆前帰還>楢葉住民「唐突」と国へ批判

国が避難指示解除の方針を説明した住民懇談会=福島県楢葉町

 政府の原子力災害現地対策本部は19日、東京電力福島第1原発事故で全町避難している福島県楢葉町の町民を対象に懇談会を開き、避難指示をお盆前に解除する方針を説明した。町民からは「頭越しで唐突だ」「(解除前の)準備宿泊をもう少し延ばしてほしい」との声が相次いだ。
 懇談会は楢葉町と、仮設住宅がある会津美里町であり、計約100人が参加。現地対策本部の後藤収副本部長は「帰りたい人が帰れるよう早く規制を外し、一歩一歩、古里を再生することが後に続く人の支えになる」と理解を求めた。
 町民からは「準備宿泊がすぐに解除にはつながらないと説明していた。解除は喜ぶべきものだが、プロセスがないがしろだ」「住宅の修繕が進まないなど、生活環境が整っていない。なぜ、焦るようにお盆前なのか」などの批判が出た。
 楢葉町の会場では、準備宿泊中の83歳の男性が「病院がなくて心配。医療機関や福祉施設が再開し、安心して帰れるまで待ってほしい」と訴えた。会津美里町では「商業施設ができた段階で解除を」という声のほか「解除するにしても、防犯対策を万全にしてほしい」との意見があった。
 国側は「お盆前は提案であり、懇談会での意見も踏まえて解除時期を最終決定する」「企業が再開しないなど避難指示の弊害がある。解除し、楢葉は安全だと内外に示すことが復興には大切だ」などと答えた。
 楢葉町での懇談会後、小薬厚さん(61)は「帰る人が少ない状態での解除は、防犯上の心配がある」と懸念した。いわき市に避難する渡辺尚さん(70)は「当面は自宅と避難先との二重生活になるが、お盆前の解除に賛成。気分や印象が違うし、親戚や知人が心配することなく集まれる」と肯定的に受け止めた。
 懇談会は20、21、28日にもいわき市などで開かれる。


2015年06月20日土曜日

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