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不具合…契約解除 放射線監視装置いまだ放置

「調整中」の紙が貼られたモニタリングポスト=福島県飯舘村

 東京電力福島第1原発事故の避難指示区域などに福島県が設置した放射線監視装置(モニタリングポスト)に不具合が多発した問題で、県が納入業者との契約を解除して2カ月がたった今も、装置が放置されたままになっている。この問題をめぐっては、県が数値の異常を把握しながら公表が遅れる不手際も起きた。住民からは「対応が遅すぎる」と県の動きの鈍さを批判する声が上がっている。
 県が南相馬市など8市町村に設置した77台の装置は、4月1日の運用開始直後から数値が異常に高くなるなどのトラブルが頻発。早期の改善が見込めないとして、県は同22日に納入業者との契約を打ち切った。
 その後、県は速やかな撤去を求めて業者に電話で2度、話し合いを申し入れたものの、業者側は拒否した。装置には「調整中」の紙が貼られ、原子力規制庁のホームページを通じた公表も中断したままだ。
 業者は「昨年12月の落札直後からテスト期間が必要だと再三、県に伝えた。一方的な契約解除は納得できない」と主張する。契約解除後も調整作業を続け、4月末には機械本体の不具合は全て解消したという。
 県放射線監視室は「業者と再契約するつもりはない。あくまで撤去を求めていく」との立場だが、撤去に法的強制力はない上、協議の見通しも今のところ立っていない。
 装置は地元の要望に基づき、県が国の補助金で設置した。放射線量を正しく表示し、安心感醸成につなげる狙いがあった。13台が設置された飯舘村の担当者は「稼働しなければ『放射線量を隠しているのでは』と不信感を招く」と話す。
 装置が放置されている南相馬市原町区大谷行政区の藤原保正区長(67)は「健康問題に直結するデータなのに、県の対応は遅すぎる。住民が日々空間線量をいかに気にしているかを分かっていないのではないか。県民を守るべき県として無責任だ」と怒っている。


2015年06月22日月曜日

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