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防災先進高へ着々 多賀城高の学科、来春開設

防災ワークショップで、地図に避難経路などを書き込む多賀城高生

 来春、県内初の「災害科学科」を開設する宮城県多賀城市の多賀城高(生徒841人)で教材や授業の準備が大詰めを迎えている。既に大学や企業と連携した防災研修を充実させ、今春ボランティア活動の単位認定を始めた。東日本大震災の経験を踏まえた防災教育の先進校として期待が掛かる。
 「介助が必要な住民をどう避難させる?」「移動手段は?」
 同校で今月2日、東京の建設コンサルタント会社の協力で大雨による洪水や土砂災害を想定した図上訓練が行われた。対象は3年生。過去の被害や地理的条件を考えながら、地図に避難経路を書き込んだ。
 災害科学科は県が、震災の教訓を伝承し防災知識を備えた人材育成を目的に設置を決定。津波浸水域に近く、既存の普通科との相乗効果が見込めるとして多賀城高を選定した。
 陸上自衛隊多賀城駐屯地や宮城海上保安部、東北学院大工学部など、協力を求めやすい施設が周辺に多いことも決め手になった。2013年度以降、企業関係者や大学教授の特別授業などを積極的に開いている。
 定員は1学年40人。卒業後の大学・大学校進学を前提に、医療や都市計画などの専門家や技術者として企業・行政で活躍するリーダーの育成を目指す。
 教育課程は「科学英語」「自然科学と災害」「実用統計学」など、災害や防災を切り口に各教科を学ぶ内容を想定。家庭と保健を合わせた「くらしと安全」、情報活用力を身に付ける「情報と災害」は普通科も共通で履修する。8月に文科省に申請、認可を受ける。
 3年間を通した課題研究に取り組むほか、ボランティアを重視し、所定の活動をした生徒には15年度から単位認定を始めた。専門科目の教科書は教員が独自に作成する。
 県高校教育課は「他校の普通科がどう防災教育に取り組むか。ノウハウを確立するパイロット校としての役割も大きい」と話す。佐々木克敬教頭は「人の役に立ちたいという高い志を持ち、国際的に活躍できるリーダーの素地をじっくり育みたい」と語る。
 同校は7月4日と10月10日、学校説明会を開く。
 高校の防災系専門学科は阪神大震災の被災地、兵庫県舞子高(神戸市)に次ぎ2例目。


2015年06月26日金曜日

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