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オオカミ絵まず100枚復元 秋例大祭で披露

再建された山津見神社拝殿で、復元するオオカミ絵が飾られる天井を見る荒井准教授(中央)と東京芸大の学生ら=福島県飯舘村佐須

◎東京芸大生ら飯舘視察

 東京電力福島第1原発事故で全村避難が続く福島県飯舘村で、2年前に全焼した山津見神社拝殿の再建工事が終わり、天井にあったオオカミ絵の復元を担う東京芸術大の学生が21日、現地を視察した。237枚あった絵の復元のうち、まず100枚の制作を来月から大学で始め、秋の例大祭で参拝客に披露する予定だ。
 復元を行うのは同大大学院の荒井経准教授と保存修復日本画研究室の約20人。
 再建された拝殿は約280平方メートル。夏にも竣工(しゅんこう)祭が行われる。拝殿の二間の天井には、復元される絵(杉板)をはめる格子が作られた。天井は低く、照明も当たり、絵が見やすい作りになった。
 「制作前に、被災地でもある現地を見てほしい」と荒井准教授が、院生9人を連れて来村。焼失前の絵を記録し、復元を支援する加藤久美和歌山大観光学部教授らも同行した。
 荒井准教授は「村の人を迎える立派な拝殿だ。学生には、オオカミ絵の画風に触れ、描く準備をさせた上で、7月中旬から9月末にかけてまず100枚を一気に仕上げたい」と話した。
 例大祭は11月下旬。全村避難中のため、ことしも1日限りの開催の見込みだが、地元の氏子総代菅野永徳さん(76)は「大勢の人が再び絵を見られる。原発事故では心の復興が大事。若い人たちが応援してくれるのがうれしい」と話す。
 復元作業に参加する修士1年の林宏樹さん(23)は「大学入学の年に震災が起き、自分も当事者の一人。震災を美術で描くことの難しさを感じていたが、ようやく福島の人々と関わる場に出合えた」と語った。


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2015年06月29日月曜日

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