岩手のニュース
  • 記事を印刷

津波で流出…米漂着豆腐ケース 大槌に戻った

返ってきたケースなどを前に、NGO関係者と電話する関陽子さん(右)と天満さん

 東日本大震災の津波で流され、ことし春に米ワシントン州の海岸に漂着した岩手県大槌町の豆腐店の運搬用ケースなどが29日、東京の非政府組織(NGO)を通じて持ち主に返却された。町は震災を伝える遺物として保存する方針。
 返却されたのは、同町の栄七屋商店の豆腐パック24個が入るケースと、松村建設が工事の際に掲げる施工看板。いずれも郵送で届き、町中央公民館で持ち主が確認した。

◎「店はなくなったがのれんが歴史に残る」

 栄七屋商店は震災前、町唯一の豆腐店だった。良質な地下水を使った豆腐が自慢だったが、津波で店舗兼自宅は全壊し廃業した。約300個あったケースはほぼ全て流失したという。店を営んでいた関成弥さんは震災後の2012年、57歳で亡くなった。一緒に切り盛りした妻の陽子さん(63)は「店はなくなったがケースを保存してもらえれば、のれんが歴史に残る」と感慨深げに話した。
 松村建設は震災で会長ら6人が犠牲になり、今も3人が行方不明となっている。天満昭広社長(54)は「3人が帰ってきたようだ」と語った。ケースは4月、看板は5月に米国の漂着物回収ボランティアが発見。連絡を受けた海洋ごみ問題に取り組むNGOが、栄七屋商店を取り上げた町広報誌をインターネットで読み、返却が実現した。


2015年06月30日火曜日

  • 記事を印刷

先頭に戻る