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避難者励ます福島のバンド「∞Z」世界へ挑む

JR福島駅前のイベントステージで弾き語りを披露するエリカさん=6月28日

 福島を拠点に活動する3人組バンド「∞Z(ゼロゼロゼット)」が、世界最大のアマチュアライブコンテスト「エマージェンザ」の日本大会で予選を突破し、4日、東京都で行われる決勝に挑む。ボーカル兼ギターのエリカさん(26)=仙台市出身=は福島市に住み、弾き語りで仮設住宅の住民を励ますなど原発事故の避難者支援を続けている。地方在住バンドの決勝進出は初めてで、「優勝して世界大会に進み、福島に明るいニュースを届けたい」と意気込む。
 メンバーはほかに、ベースの佐藤健二さん(白石市出身)、ドラムの片桐信吾さん(福島市出身)。ポップスにジャズなどを融合した表現豊かな曲調と、エリカさんの伸びやかな歌声が持ち味だ。
 バンドは、エリカさんが福島大在学中の2010年4月ごろに活動を開始。卒業直前の11年3月、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が起きた。
 「つらい時期だからこそ音楽が必要な人がいる。大好きな歌で福島の力になりたい」。エリカさんは両親を説得し、福島に残って歌い続けることを決めた。
 原発事故後、浪江町などの仮設住宅で定期的に弾き語りを披露。毎年3月11日には震災をテーマに作曲している。今年の曲「大切なもの」は、何げない言葉や普段と変わらない日常が持つ意味の奥深さを表した。
 バンドも成長を続け、計153組が参加したことしのエマージェンザ日本大会を勝ち抜き、初出場で決勝に臨む13組に残った。各国の優勝者は、ドイツで8月にある3万人規模の世界大会「ライブ・フェスティバル」に出場できる。
 エリカさんは「合言葉は『東北から世界へ』。福島にいても大きなことを成し遂げられることを証明したい」と決意を語る。
 決勝のステージは東京・渋谷の「TSUTAYA O−EAST」。挙手投票で7組に絞り、サザンオールスターズのプロモーション・ビデオなどを手掛ける映像ディレクター川村ケンスケさんら審査員5人が優勝者を決定する。

[エマージェンザ]92年、イタリアで始まったアマチュア向けライブコンテスト。現在は欧米を中心に34カ国150都市で予選が行われ、5万組以上が演奏する。日本は07年から参加。観客の挙手投票は世界統一ルール。世界大会優勝者には2週間の欧州ツアーなど特典がある。


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2015年07月03日金曜日

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