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<女川原発>「安全避難可能か」住民懸念

 東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の事故への対応をめぐっては、30キロ圏の7市町が策定を進める広域避難計画で、地形や風などの影響を盛り込むかどうかは不透明だ。住民の間には「こうした状況で安全に避難できるのか」と不安が渦巻いている。
 原発が立地する女川町はほぼ全ての行政区が10キロ圏に入り、主な避難ルートは国道398号に絞られる。高齢男性は「どこにどう逃げればよいのか分からない」と訴える。20代女性は「福島第1原発事故のようになったら、女川には帰れない」と口にする。
 宮城県がまとめた広域避難のガイドラインでは地形や風向には触れていないが、女川町の担当者は「計画策定に当たり、地形などを考慮した方がいいのではないかとの考えはある。計画に盛り込むかどうかも含めて検討している」と話す。
 ガイドラインによると、石巻市の約15万人は原発事故時、27市町村に分散して避難する。だが、市は避難所の運営方法などで受け入れ先との調整が難航。牡鹿半島の5キロ圏と周辺地域について先行して避難計画を策定する方針を決めた。
 市幹部は「地形や風向きで先に避難させた方がいい地域が出てくる可能性もある。地形などを踏まえた避難計画の策定を検討している」と説明する。
 また、ガイドラインでは人口約100万の仙台市は原発周辺から避難する約6万人を受け入れる予定。仮に民間シンクタンクの環境総合研究所(東京)のシミュレーションのように、仙台市民も避難が必要になれば、大きく混乱する恐れがある。
 研究所は「原発からの半径のみで定める区域設定は福島の事故の実態からみて疑問がある。自治体がマニュアル的に計画を作っているだけでは、住民の不安は消えない」と指摘する。


2015年07月04日土曜日

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