宮城のニュース
  • 記事を印刷

<石巻再開発>まちづくり手法「優建」に脚光

店舗と住居が入る複合ビルの上棟式であった餅まき

 東日本大震災で被災した宮城県石巻市中心部で市街地再開発事業が相次いで白紙になったことで、小規模で活用できる「優良建築物等整備事業」(優建)が注目されている。都市再開発法に基づく再開発とは違った任意事業で、手続きが簡易なのが特徴。市内初の適用となる複合ビルが8月以降に完成予定で、まちづくり手法の一つとして認知度が高まっている。

 市中心部の松川横丁で6月中旬、複合ビル「COMICHI(コミチ)石巻」(地権者4人)の上棟式があった。
 「2011年6月から勉強会を重ね、ここまでこぎ着けた。地元の人と一緒に新しいスタートを祝えることをうれしく思う」。地権者の一人で、ビルのテナントを運営するまちづくり会社の阿部紀代子代表社員が集まった住民ら200人を前にあいさつした。
 コミチ石巻は鉄骨と木造を組み合わせた一部3階で、延べ床面積約660平方メートル。1階は飲食3店舗、2、3階がシェアハウスや地権者の住宅になる。オープンは8〜9月の予定だ。
 コミチ石巻が活用した優建は、市街地再開発と同じ復興交付金の基幹事業。共用部分に適用される補助率も5分の4だ。ただ、再開発事業と比べると、補助対象となる項目が少なく、税制上の優遇措置もない。
 利点は小規模な事業に活用できることで、実施条件は地区面積がおおむね1000平方メートル以上、3階以上の建物などとなっている。
 コミチ石巻の建設地周辺は、津波にのまれたものの、残った建物も多い。地権者たちは「全てを壊して再開発をするには、合意形成に時間がかかる」と判断。小規模でも、事業に合意する人数で素早く着手できる優建を選択した。
 コンサルタント業務を担った合同会社「住まい・まちづくりデザインワークス」(東京)の野田明宏代表は「任意事業の優建は地権者の信頼関係が大事。今回は街の復興のシンボルにしたいとの思いが一致した。互いの顔が見える4人での事業だったことがポイントだ」と解説する。
 阿部さんは「それでも勉強会から始め、4年の時間がかかった。思いを形にして、支援してくれた方々に石巻がこんなに元気になったと発信したい」と言う。


関連ページ: 宮城 社会

2015年07月23日木曜日

  • 記事を印刷

先頭に戻る