宮城のニュース

<女川原発>30キロ圏5市町避難計画固まる

 東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)から30キロ圏にある7市町のうち、立地自治体の女川町と石巻市を除く5市町の重大事故を想定した広域避難計画の骨格がおおむね固まった。住民の意見聴取や説明会を経て、10月末にも予定される県原子力防災訓練からの実施を目指すが、実効性を高める上で課題は少なくない。
 7市町の避難対象者は約21万人で、県が昨年12月にガイドラインで示した広域避難先は表の通り。各市町は住民の具体的な避難先や移動手段、経路などを検討してきた。
 対象者が人口の9割に達する東松島市は「1割の住民を置いていけない」(防災課)と全市民の避難を想定。仙台市など3市2町に避難対象外の住民の受け入れも要請した。
 移動手段は主に自家用車で、自力で避難できない4000人にはバスを用意する。必要な100台以上を市単独では手配できず、県に調整を求める。
 8月以降に自主防災組織や市議会の意見を聞き、10月には住民説明会を開く。市防災課は「住民への周知徹底、避難者による渋滞発生の抑制など懸案は多い。安定ヨウ素剤の配布方法など国が方針を決めていないこともあり、もし女川原発を再稼働させるなら、それまでに決めてほしい」と訴える。
 美里、涌谷両町も30キロ圏にとどめず、事故の状況に応じて全町民避難を検討する。美里町の担当者は「30キロ圏の避難計画案は大体まとまったが、2万人超の全町民の避難先を県内で確保するのは困難。県外に探している」と明かす。
 登米市は津山、豊里地区の対象者1万人に加え、南三陸町と石巻市から計1万3000人を受け入れる。市全域の公共施設が避難場所となり、市は「2万人を超す受け入れとなると、現実的には相当の混乱が予想される」と困惑気味だ。
 現場の不安の声に、県原子力安全対策課は「最初から完璧なはずはなく、訓練すると想定外の事態も出てくる。訓練で浮かんだ課題の解決を繰り返し、実効性のある計画に仕上げていくことが大切」と説明する。
 原発がある女川町は避難対象者の実情把握のため個別調査を行っており、秋をめどに策定を目指す。対象者が15万人で、避難先が県内27市町村に及ぶ石巻市は当面5キロ圏と周辺について先行策定に取り組む。


2015年07月26日日曜日

先頭に戻る