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原発への怒り刻む 川内村に復興祈念の石碑

石碑の穴には、5円硬貨や真ちゅう製の鍵などがメッセージとともにくくり付けられている

 東京電力福島第1原発事故に伴い一時、全村避難した福島県川内村で、復興を祈念した石碑が建てられた。「あしたを歩く」の碑文とともに、掛け替えのない古里を放射能で汚染された怒りを彫刻で表現し、村を襲った苦難を刻んでいる。
 同村の東側は福島第1原発から20キロ圏にあり、いまなお避難区域が残る。
 石碑は高さ約1.5メートル、幅約4メートル。朱色に塗った小さな穴を約70個掘ったのが表側で、製作した彫刻家浅賀正治さん(茨城県桜川市)は「原発事故で郷土を汚された住民の、岩盤に爪を立てるような思いを表現した」と説明する。
 穴には、5円硬貨や真ちゅう製の鍵などをくくり付け、「たくさんの笑顔に包まれますように」「復興して福島にしあわせ戻れ!」などと各地から寄せられたメッセージを記した和紙を添えた。
 5円硬貨は、茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー」で1999年に臨界事故が起きた際、京都大の研究チームが放射能の影響を調べるため、周辺住民から集めたことにちなんだ。真ちゅうは、含有する亜鉛が被ばく線量の測定に使われている。
 石碑造りを提案し、御影石を提供した川内村の石材業「イシフクフタバ」の望月隆司社長は「福島第1原発をいつまでも見続けていくとの思いを込めた」と話した。
 「あしたを歩く」の碑文は、田村市の女性(31)が「あしたに向かい着実に進む村の姿」を思い描いて発案。村の公募で選ばれた。
 石碑は同村上川内の「あれ・これ市場」前に設置。15日の除幕式で遠藤雄幸村長は「新しい村づくりへ向け、『あしたを歩く』の言葉を胸に刻みながら、復興に取り組んでいきたい」と述べた。


2015年07月26日日曜日

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