青森のニュース
  • 記事を印刷

クロマグロ小型魚漁獲制限「死活問題だ」

 青森県内の一部漁協が、ことし導入されたクロマグロの小型魚漁獲制限の運用で困惑している。県は29日、日本海北部ブロックの県内漁獲量が目安を超えたとして関係漁協に操業自粛を要請した。漁業者らは海洋資源保護の目的には理解を示しつつ、漁期の真っただ中で操業自粛を迫られ不満がくすぶる。回遊する小型魚を漁の対象としてきた漁協は「死活問題だ」と訴えている。

<上限値に迫る>
 漁獲枠は小型魚の漁獲量を管理し、親魚資源量を回復させるために設けられた。北海道や秋田、山形など7道県で構成する日本海北部(管理期間2015年1月〜16年3月)の青森の漁獲目安は216.5トン。岩手や宮城、茨城など6道県の太平洋北部(同〜16年6月)の青森の漁獲上限値は57.1トンに設定されている。
 県は各漁協からの漁獲モニタリング報告を集計し、目安や上限の80%で警報、90%で特別警報、95%で操業自粛要請を発出する。
 県水産振興課は27日、日本海北部の関係漁協に特別警報を、29日には操業自粛要請を出した。太平洋北部については10日、定置網漁が漁法別上限値(42.0トン)に迫っているとして自粛を求めている。

<漁法別に管理>
 漁業関係者によると、青森の沿岸マグロ漁は全国的にも珍しく、大きく三つの漁法があり、漁の対象や盛期の違いが資源管理の在り方を難しくしている。
 日本海北部について県は、定置網、はえ縄、一本釣りの各漁業者と協議し、漁法別、漁協別に漁獲上限値を細分化して管理することを申し合わせている。
 このうち、5〜8月が漁期の定置網の漁獲実績は既に、上限値の約1.5倍に達した。7〜12月が盛期のはえ縄と一本釣りはまだ余裕があるのに、全漁法の合計が95%を超えたとして小型魚漁獲の自粛を求められている。
 新深浦漁協(青森県深浦町)の担当者は「はえ縄の漁業者から『今後どうなるのか』という声は上がっている。冬場に大型魚を狙う大間町の一本釣りとは違い、回遊する小型を漁の対象としてきただけに現場は困惑している」と話す。

<不公平を調整>
 県の太平洋クロマグロ漁獲管理細則によると、漁獲上限値を超過した場合、県はその原因を分析し、水産庁やブロック道県と協議した上で翌年の管理期間の上限値を設定する。
 県水産振興課の野呂恭成課長は「今期の漁模様が良かったことから、想定より早く資源管理の規制が進んだ。漁期満了後、水産庁などと協議し、超過分は来漁期の漁獲上限値から削減されることになる。その際、配分については漁法別間で不公平のないよう調整していく」と説明した。

[クロマグロの資源管理]中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)は2015年から、小型魚(30キロ未満)の漁獲量を02〜04年実績の半分にすると決めた。日本の漁獲量は4007トンとなり、大中型漁船巻き網漁に2000トン、引き縄や定置、近海さお釣りなどの沿岸漁業には2007トンを配分。沿岸漁業は全国を6ブロックに分け、漁獲上限値を設定して管理する。12年の親魚資源量2万6000トンを、24年までに4万3000トンまで回復させることを当面の目標にする。


関連ページ: 青森 経済

2015年07月30日木曜日

  • 記事を印刷

先頭に戻る