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<矢巾中2自殺>「大丈夫です」の真意読めず

村松君の冥福を祈ってJR矢幅駅に設置された献花台。手を合わせる人が絶えない

 いじめを訴えた岩手県矢巾町の中学2年村松亮君(13)が亡くなり、5日で1カ月となった。通っていた中学校は少なくとも6件のいじめがあり、自殺の一因だったと認めた。本格究明の場は第三者委員会に移る。村松君は亡くなる6日前、生活記録ノートの最後の記述で自殺をほのめかした。この間、担任と何度も言葉を交わしたが、悲劇は防げなかった。
 「市(死)ぬ場所は決まってるんですけどね」。こう記したのは6月29日。学校の報告書によると、30日に読んだ担任は「どうしたの?」と声を掛けた。
 「大丈夫です」。村松君はこう答えた。翌7月1日からの田沢湖への宿泊研修の話題になり「バスの座席はどうなっているんですか」と尋ねた。
 それまでも「ボクはげんかいになりました」(6月3日)「解決してません。またこりずにやってきた」(同9日)などの記述があった。担任はその都度、トラブルのあった生徒を指導。解決は図られたと考えた。
 研修では寺で座禅などを体験。村松君は研修のしおりに「安心して、とてもよい一日だった」と記した。学校に戻った7月2日の下校時、「おれはチャリじゃないよ」と友達と笑っていた。校長によると、担任は「研修を終え楽しそうな様子で、普段と変わらないことを確認した」と振り返った。
 3日は発熱で欠席。担任が電話をかけると「熱は大丈夫」と答えた。担任は「(翌4日土曜の)部活を休み月曜に元気に来た方がいい」と勧め、月曜の時間割を伝えた。村松君はメモを取っている様子だった。
 村松君は5日も部活を休んだ。午前9時45分ごろ、アニメを見ながら仕事に出る父親(40)に「もう少しゆっくり出ても大丈夫じゃないの」と話し掛けた。親子の最後の会話になった。
 「これが最後の投稿になります」。午後1時49分、村松君はインターネット機能がある携帯型ゲーム機に書き込んだ。午後2時18分に「ミニマリオがじさつするそうです」と投稿した。
 午後7時半ごろ、JR東北線矢幅駅構内の線路で普通列車にひかれて死亡した。ホームから飛び込んだとみられている。
 その4日後。村松君の机から東北線盛岡−矢幅間など7枚の使用済み切符が見つかった。日付は3〜5月だった。
 父親は「好きなゲームセンターに行っていたのだと思う。ノートにあった死ぬ場所を探していたのかどうかは分からない」と話した。

◎文科省、いじめ情報共有を

 文部科学省は4日、村松亮君(13)がいじめを苦に自殺したとみられる問題を受け、全国の教育委員会などに対し、ささいな兆候や子どもの訴えなど、いじめの疑いがある情報があった際に特定の教職員で抱え込まず、校内の組織で速やかに対応するよう求める通知を出した。
 いじめかどうかを被害に遭った子どもに寄り添った視点で判断することや、いじめがないことだけが評価されるのではなく、問題解決の取り組みが評価されるという点を教職員に周知することなどを点検事項として列挙。こうした事項が、各学校のいじめ防止基本方針に記載されていなくても点検し、必要に応じて見直すよう要請した。


関連ページ: 岩手 社会 いじめ自殺

2015年08月05日水曜日

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