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<サブドレン>福島県漁連が海洋放出容認

 東京電力福島第1原発建屋周辺の井戸「サブドレン」から地下水をくみ上げて浄化後に海洋放出する計画で、福島県漁連は7日、理事会を開き、実施容認を決めた。11日の組合長会議で正式決定する。早期の本格操業に向け、廃炉の進展が必要と判断した。

 傘下の漁協からの意見を踏まえ、理事会では運用基準の順守、損害賠償の堅持、風評被害対策の徹底−などを盛り込んだ要望書も取りまとめた。組合長会議で東電、国に提出する。
 計画では1日約500トンの地下水をくみ上げ、浄化装置を経由して放出する。原子炉建屋への流入(1日300トン程度)を最大で3分の1以下に抑える効果が見込まれている。汚染水低減の重要な対策と位置付け、東電が漁業関係者に実施の同意を求めていた。
 地下水の漏出防止策として、原発敷地には全長約800メートルの海側遮水壁が設置されている。地下水位を抑えるため10メートル程度の隙間が設けられており、高濃度の汚染水が海中にしみ出ているとみられている。
 サブドレン計画の実行後、東電は遮水壁を完全に閉鎖させる考え。県漁連幹部は「浄化できていない汚染水の流出が最大の問題。遮水が完遂すれば、海洋環境の改善が期待できる」と話す。
 原発事故で福島沖の漁業は全面自粛に追い込まれ、2012年6月から一定量を流通させる試験操業が行われている。対象は64魚種に拡大しているものの、総水揚げ量は事故前の16分の1程度にとどまる。原発20キロ圏の海域では全面自粛が続いている。
 理事会後、県漁連の野崎哲会長は「安定的に廃炉を進めることが漁業復興の特効薬になる」と説明。ALPS(多核種除去設備)の処理水については「現状では放出はあり得ない」と語った。


2015年08月08日土曜日

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