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<災害公営住宅>カビ大量発生 健康被害も

カビが発生した畳を外し、湿った床板を乾かす後藤さん。和室は使用できないままだ=25日、宮城県南三陸町の枡沢復興住宅

 東日本大震災の被災者が暮らす宮城県南三陸町と同県気仙沼市の一部の災害公営住宅で、畳にカビが大量発生し、苦情が寄せられている。市町と施工業者は緊急点検を行い、対策に乗りだしたが、健康被害を訴える入居者もいる。カビは一部の仮設住宅で発生。「ついのすみか」となる災害公営住宅でも起き、生活不安が広がっている。

 カビが発生したのは、南三陸町歌津の町営枡沢復興住宅(20戸、鉄骨造3階)と気仙沼市の市営赤岩五駄鱈住宅(21戸、同3階)。南三陸は高台、気仙沼は山すその造成地に建設された。1階の少なくとも南三陸が6戸、気仙沼が2戸の居室の畳にカビが発生した。
 1月に完成した南三陸の住宅1階に住む後藤美智子さん(36)は、夫と2月に入居。6月下旬、6畳和室の畳一面に青いカビが生えているのを見つけた。雨の日に畳を外し、床下をのぞくと、雨どいの水がベランダにある排水溝からあふれ、床下に流れ込んでいた。
 後藤さんは「まるで川の上に住んでいるようだ」と訴える。畳を拭いても、カビは消えず繰り返し生え、現在も続くという。気管支炎を患う後藤さんは「呼吸が苦しくなり、せきも増えた。仮設住宅の方が環境が良かった」と肩を落とす。
 気仙沼では7月22日の入居開始直後、カビが発生したという。
 1階の菅原キヨコさん(84)は畳の下に新聞紙を敷いて応急対策を試みたが、和室中心部の床下点検口付近から再びカビが出た。畳の下の床板の裏には結露した水滴がびっしり。「2、3年したら板が腐る」と心配する。別の1階入居者も「畳のへりのカビで雑巾が青くなる」と嘆いた。
 両住宅は大和ハウス工業(大阪市)が建設し、市町が「公募買い取り事業」で取得した。同社は今月22日、南三陸の住宅の排水や通気口の対策工事を開始。気仙沼では近く1階全7戸を総点検する。
 同社の担当者は「両住宅とも構造上の問題はない。建物の気密性が高いため、換気が十分でない場合、空気が滞留してカビが発生する可能性がある」と説明。南三陸町と気仙沼市は「まずは原因を突き止めたい。新生活を始めたばかりの入居者が不安にならないよう丁寧に対応する」と話す。


2015年08月27日木曜日

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