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<最終処分場>3市町猛抗議 調査再開できず

環境省の現地調査再開を阻止するため町道をふさぎ、反対の声を上げる地元住民ら=28日午前8時25分ごろ、宮城県加美町

 東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場建設をめぐり、環境省は28日、宮城県内3候補地の現地調査のため栗原市、大和町、加美町を訪れた。環境省職員が午前、午後の2回にわたり現地入りを試みたが、加美町で住民らの激しい抗議に遭い、作業着手を見合わせた。

 環境省は同日、資材搬入や看板設置など調査の準備をする予定だった。29、30日は作業せず、31日午前に3候補地を再度訪れ着手の機会を探る。
 候補地の一つ、加美町田代岳には早朝から猪股洋文町長をはじめ住民ら約200人が集まった。建設反対を訴えるのぼりを掲げ、現地につながる町道を人垣でふさいだ。環境省職員と作業員16人が現地に入ると、住民らは反発を強め「帰れ」などと声を上げた。
 環境省東北地方環境事務所の東利博保全統括官が「道を開けてもらいたい」と説明したが、猪股町長は「断固反対が住民の声」と反論。互いの主張は平行線をたどった。午後も同様のやりとりがあり、最終的に同日の着手は見送られた。
 栗原市深山嶽では住民ら約60人、大和町下原でも住民ら約50人が抗議活動を展開した。加美町の着手見合わせの知らせを受け、両地区とも環境省職員が現地を引き揚げた。2市町で大きな混乱はなかった。
 環境省は昨年10月、候補地を1カ所に絞り込むための現地調査を開始。ボーリング調査の準備作業を始めたところ、加美町で住民の抗議を受け3カ所とも中断した。11月に降雪で現地入りできなくなり、その後調査再開を先送りしてきた。
 村井嘉浩知事は指定廃棄物を一時保管する住民の負担などを理由に早期再開を要望してきた。栗原市の佐藤勇市長は調査が8月中に再開されない場合、候補地を返上する可能性を示唆していた。

<指定廃棄物>放射性セシウムの濃度が1キログラム当たり8千ベクレルを超える廃棄物で、ごみの焼却灰や下水汚泥、稲わらなどがある。東京電力福島第1原発事故で出た放射性物質が付着して12都県で計約16万トン(3月末時点)が発生し、そのうち福島県が約13万トンを占める。各地で一時保管されており、国は発生した各県で処理する方針。量が多く、既存の最終処分場では足りない5県(宮城、茨城、栃木、群馬、千葉)では、国が1カ所ずつ処分場を新設する予定。


2015年08月29日土曜日

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