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<最終処分場>「反対貫く」住民絶叫

環境省職員と押し問答する猪股町長(手前左)と地元住民ら=28日午後1時20分ごろ、加美町田代岳
調査再開に向けて候補地を訪れた環境省職員   
現地調査に入れず、候補地を後にするトラック=28日午前8時55分ごろ、大和町下原     

 静かな山里に再び抗議の声が響き渡った。環境省が指定廃棄物最終処分場建設に向けた現地調査再開を試みた28日、県内3候補地の住民らは一斉に反発姿勢を強めた。同日中の調査再開を見合わせた環境省は、週明けの31日に再度着手を試みる方針。住民らは「何度来ても反対を貫く」と力を込めた。

<町長ら200人撤退迫る/加美>
 現地調査の受け入れ自体に反対の加美町では、環境省が調査中断を余儀なくされた昨年10月と同様、候補地の田代岳で住民が激しい抗議活動を展開した。
 約200人の住民が「調査は認めない」「候補地撤回」とシュプレヒコールを繰り返す中、猪股洋文町長と、地元50団体による「放射性廃棄物最終処分場建設に断固反対する会」の高橋福継会長が環境省職員に強く撤退を迫った。
 猪股町長はこの中で、21日に町を訪れた小里泰弘環境副大臣が「専門家を交えて町と意見交換をしたかった」と述べたことを指摘。「望むならやりましょう」と開催に応じる考えを示したが、環境省側は明言を避けた。
 一方、環境省は反対する会に対し「住民に説明不足の点もある」と説明会開催を提案したが、高橋会長は「環境省の都合の良い説明会は受ける必要がない」と拒否し、物別れに終わった。

<のぼり旗掲げて抗議/栗原>
 栗原市深山嶽には午前7時ごろから、調査に反対する住民グループの約60人が集まり、のぼり旗を掲げるなどして抗議活動を展開した。
 3候補地同時着手の原則から、午前、午後ともに調査実施を見合わせた環境省職員2人は、市の担当者に「再開するときは事前に連絡します」と話して引き揚げた。
 深山嶽に近い栗駒文字地区の住民団体代表、菅原敏允さんは「後世のためにも処分場を栗原に建設させてはいけない。これからも強く反対活動を続けていく」と口元を引き締めた。
 佐藤勇市長は「環境省が動きを示したことには一定の評価をする。調査がこれで終わるのか、今後の動向を注視する」との談話を出した。

<拳突き上げアピール/大和>
 大和町下原には午前に住民ら約50人、午後は約30人が集まり、のぼり旗や横断幕を掲げて建設反対の姿勢をアピールした。草刈りやフェンス設置などを予定していた環境省職員の撤収を見届けた住民らは「断固反対で今後も頑張ろう」と拳を突き上げた。
 駆け付けた「建設に断固反対する会」の佐々木久夫会長は「妨害はしないまでも地元の真剣さを国に示そう」、地元行政区の若生英光区長は「子孫の代まで影響する問題。仕事を放って駆け付けるのは大変だが、何度でも来て反対を訴える」と語気を強めた。
 浅野元・町長は報道各社の取材に応じ、環境省の撤収を「調査は3市町同時が条件、という約束の中で進めてくれている」と評価した。


2015年08月29日土曜日

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