宮城のニュース
  • 記事を印刷

<最終処分場>環境省調査とん挫 再び越年も

環境省職員(右)らに抗議する地元住民ら。調査再開のめどは立っていない=8月31日、加美町

 東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場建設問題で、環境省は昨年10月から中断していた宮城県内3候補地の現地調査の再開を8月末に試みたが、加美町で住民の猛反対に遭いとん挫した。事態打開のめどが立たない中、政治日程も絡んで作業着手できないまま再び越年する可能性も出てきた。

◎自民総裁選、内閣改造、地方選…複雑に絡む?

 環境省は8月28、31の両日に計4回、栗原市深山嶽、大和町下原、加美町田代岳での作業着手を試みた。最も反発の大きい加美町では猪股洋文町長らに「住民説明会を開かせてほしい」と呼び掛けたが、「必要ない」とはねつけられた。
 専門家を交えた環境省と町との意見交換会が検討される見通しだが、猪股町長は「国のこれまでの説明を考えると納得できる話が出てくるとは思えない。国は候補地の選定の誤りを認めるべきだ」と息巻き、意見交換会と並行しての調査再開には強く反発する。
 望月義夫環境相は1日の記者会見で「環境省の考えを丁寧に説明し、できるだけ早く調査実施したい」と従来姿勢を強調。一方で「このような話は1週間、1カ月で『分かりました』となることはなかなか考えられない」と漏らし、早期着手が難しいことを認めた。
 国政では自民党総裁選が8日告示される。10月中の内閣改造がささやかれ、望月氏を含め閣僚交代の可能性もある。県内では大和町長選、県議選を控え、「選挙前の調査は避けるのではないか。雪が降れば、また越年しかねない」(県関係者)との見方が広がる。
 処分場建設には反対しつつ調査実施は認めてきた大和町の浅野元町長は「2度も冬を越せば本気度が疑われるが、どんどんやれということではない。理解が得られない中で進めても駄目だ」と冷静だ。
 同様に建設反対で現地調査は認める栗原市の佐藤勇市長は、1日の定例記者会見で「実行には至らなかったが、努力した」と環境省が調査再開を試みたことを前向きに評価した。
 ただ、「9月半ばに調査着手し、10月半ばには終える姿勢でいかなくては。越年した場合はもう環境省を相手にできない。市民を挙げて、私も反対運動に入っていく」とけん制する。
 調査受け入れへの理解を求め、事態打開の対応について「国からサポートが必要と話があれば全力で応援する」とする村井嘉浩知事。降雪までの時間は限られている。


2015年09月02日水曜日

  • 記事を印刷

先頭に戻る