青森のニュース
  • 記事を印刷

新国立状態?青森の陸上競技場 膨らむ事業費

新青森県総合運動公園に整備される陸上競技場の完成イメージ図(県提供)

 新青森県総合運動公園(青森市宮田)の中核施設として整備される陸上競技場の事業費が、2度の入札不調を経て大幅に増加している。県が8月26日に公表した主競技場工事の一般競争入札の予定価格は、労務、資材などの積算単価を実勢に沿って見直した結果、当初から約30億円アップの約127億円に跳ね上がった。他に付随する工事があり、陸上競技場全体の整備事業費はさらに膨らむ可能性がある。

 県によると、主競技場は地下1階、地上4階の鉄筋・鉄骨コンクリート造りで、建築面積は約1万8500平方メートル。2万を超える観客席数を確保する。工期は2018年12月までで、3社による共同企業体(JV)に発注する。10月16日に開札し、総合評価法で落札者を決める。
 県は14年8月、約98億円の予定価格で入札参加者を募ったが、申込者は皆無だった。仕様は変えず、予定価格を約118億円に上方修正して実施したことし1月の入札には、JV1組が申し込んだものの入札前に辞退され、再び不調に終わった。
 入札を担当する県建築住宅課が2度目の不調後、複数のゼネコンから聞き取った結果、労務、資材の単価高騰で県の積算単価と隔たりが生じていたほか、足場の設置範囲といった施工方法にも県側の想定とずれがあった。実勢、実態を踏まえて見直す一方、大屋根構造の軽量化や内装・建具工事の仕様変更で費用圧縮も試みたという。
 建設業界の人手不足、資材の高騰は全国的な傾向で、県は「国の基準に従って積算していたが、実勢に合わせて変更するのはやむを得ない」と説明する。ただ、8月21日の県議会建設委員会で、自民のベテラン議員は「30億円と言えば、一つの村の年間予算額に相当する」と相次ぐ高額アップに苦言を呈した。
 陸上競技場整備ではほかに、陸上補助競技場、投てき練習場、外構の工事を予定している。施設全体の事業費は現時点で約197億円と見込むが、残る工事の積算も実勢に合わせればさらに増える恐れがある。
 県は、招致の期待が高まる25年の第80回国体本大会のメーン会場としての使用を想定している。県議からは「(20年東京五輪のメーンスタジアムとなる)新国立競技場と違って整備期限に余裕はあるが、価格が値上がりする状況はそっくりだ」と皮肉る声も出ている。

[新青森県総合運動公園]既存の県総合運動公園(青森市安田)には施設の老朽化、三内丸山遺跡の発見に伴う全面移転改築などの課題があり、宮田地区約86ヘクタールへの移転を決めた県は12年3月、新公園陸上競技場基本計画を策定した。施設の規格は(1)日本陸連の第1種公認として整備(2)国体の開・閉会式開催が可能(3)サッカーやラグビーなどの競技が可能−などとした。整備には電源3法交付金を活用。施設の特徴として、通年利用できる雨天用走路・周回走路の整備、地中熱の利用、雨水の再利用などを挙げている。


関連ページ: 青森 政治・行政

2015年09月03日木曜日

  • 記事を印刷

先頭に戻る