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絶滅危惧種ゼニタナゴ19年ぶり確認

伊豆沼で19年ぶりに見つかったゼニタナゴ(赤い円内の中央)=県伊豆沼・内沼環境保全財団提供

 宮城県栗原市と登米市にまたがる伊豆沼で、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されているゼニタナゴが2匹見つかった。伊豆沼でゼニタナゴが確認されたのは1996年以来、19年ぶり。県伊豆沼・内沼環境保全財団は「ブラックバスなど外来魚の駆除効果が表れたのだろう。ゼニタナゴが繁殖するかつての伊豆沼を取り戻したい」と生息環境の好転に期待する。

 財団によると、ゼニタナゴは7月末、定期調査で仕掛けた定置網四つのうち二つに、モツゴやエビ類とともに1匹ずつ入っていた。体長5センチほどの成魚だった。
 ゼニタナゴはコイ科の淡水魚で、青森県を除く関東以北に分布していたが70年代以降に生息数が減少。現在は宮城県や岩手県など東北のため池10カ所ほどで保護と繁殖活動が行われている。
 今回見つかったゼニタナゴは、沼近くのため池で保護されていた個体が春の田植え時期に農業用水とともに池から流れ落ち、沼に入ったとみられる。
 伊豆沼では96年、県内水面試験場が調査のため仕掛けた定置網に数百匹が掛かって以降、見つかっていない。90年代初めまでは年間3〜4トンの漁獲があり関東に出荷されていたが、同時期に爆発的に増えた外来魚ブラックバスに捕食され尽くしたと考えられている。
 財団は2004年から、ボランティア団体を組織してブラックバスやブルーギルなどの外来魚の駆除に取り組んできた。現在、モツゴなどの小魚やテナガエビなど在来生物の生息数は回復しているという。
 財団の藤本泰文研究員は「2匹のゼニタナゴは少なくとも数カ月は沼で生存していた可能性が高い。外来魚の減少で本来の生態系が戻ってきたことを示している」と分析する。


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2015年09月04日金曜日

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