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<サブドレン>放出への協力、今回が最後

野崎哲氏(のざき・てつ)青山学院大中退。いわき市出身。同市の船会社「酢屋商店」社長。97年福島県漁連理事、10年7月会長。小名浜機船底曳網漁協、福島県旋網漁協の組合長も務める。

◎福島県漁連 野崎哲会長/廃炉進展には期待感

 東京電力福島第1原発の井戸「サブドレン」からの浄化水放出が14日始まった。計画を容認した福島県漁連の野崎哲会長(61)が河北新報社のインタビューに応じ、廃炉進展による漁業再生に期待感を示す一方、ALPS(多核種除去設備)の処理水を念頭に「(放出への)協力は今回が最後」と強調した。(聞き手は南相馬支局・斎藤秀之)

 −漁業者には反対論も根強かった。
 「汚染水減量手段としてサブドレン計画の意味は大きい。個人的に受容すべきだと考えていた。安定的に廃炉作業が進むことは漁業復興につながる。その点を漁業者も理解してくれた」
 「新たな金銭補償による条件闘争を求める声もあったが、原発被災者らの理解は得られない。現状の賠償制度はいわばセーフティーネット。早期の本格操業によって受け取りが不要になるのが理想だ。自立を目指すことが漁業者のモチベーションにもなる」

 −サブドレン計画で地下水位の管理が可能になるとして、東電は10月末までに海側遮水壁を閉鎖させる。
 「原発敷地内から港湾への地下水流出が止まり、海洋環境の改善が期待できる。海の正常化に向け、ようやく一歩前に踏み出すことができると感じている」

 −原発20キロ圏の海域は漁の全面自粛が続いている。
 「海側遮水壁によって状況は安定する。モニタリングの結果を見て、自粛海域の縮小などを判断したい。閉鎖から90日後に港湾内で異常がなければ、20キロ圏内での試験操業も可能になるだろう」

 −ALPS処理水への対応は。
 「(昨年4月に容認した)地下水バイパス計画、今回のサブドレン計画で設けた放出基準を大切にしたい。その観点から、トリチウムを含んだALPS処理水を認めることはできない。われわれとして協力できるのは今回が最後だ」

 −東電に望むことは。
 「放出基準の厳守に尽きる。廃炉を進める中でより難しい局面も予想されるが、しっかり作業を進めてもらいたい」


2015年09月15日火曜日

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